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第32話 召喚奴隷、唯一の隷属からの脱出

エネルフィシア王国:外れの地 通称〘召喚者の溜まり場〙


 この地には、このエネルフィシア王国で召喚された者を戦闘用奴隷を主な使用用途として扱うべく洗脳強化や恐怖心にて完全支配する為の監禁、拷問を行う為の地である。

 その為この地の周辺に国民の住宅地は無い。騒音や振動などが酷い為である。

 更に数ヶ月前に滅ぼされた〘フェルネツィア王国〙の異世界からの召喚者奴隷の生き残り500名を回収した事で"エネルフィシア王国"は今は無き"フェルネツィア王国"に継ぐ"召喚奴隷数"を誇るに至る。



……………………………………


 赤髪の少女が黒髪の少女に寄りかかる様にして泣くこもせず死んだ目をして黙っている。

 赤髪の少女の方は10歳にすら満たない程の容姿である。

この様な幼子が…否、幼子だけでは無い。

大人、子供、老人、老若男女全ての召喚者達全ての目に生気を感じない。

彼らは全て人間ではない。

世界"間"を強制的に移動するのだ種族の変化、容姿の変化、性格の変化、様々な変化を強制される。



そんな地に現れた男がいた。

ピッチピチのスーツ姿の眼鏡を掛けた男"アームス"がズンズンとこの地を歩いて突き進む。

彼は召喚者である。

しかしその召喚者の中で一番強かった。

ただそれだけで、ある程度の自由と肩書の勇者という称号を持っている。

強かったから彼らの様な状況になる事はなかった。


更に王の命により彼らを連れて行く事となっているがこんな状態の者達を連れて言ったところで間違いなく全滅、不可能。


(クソ、禍蟲洞窟の新種の調査…。と言うことは少なからず魔王領地内に侵入する事になる。下手すれば良くて全滅、良くて半滅、、、、だろうな。クソっが…。)


そんな半死人の中で異彩を放つ者が数名いた。


壁に寄りかかる様にして座り込む。

…大鬼か?アレは?


慎重は2.5m以上、額に一本の太い角を生やした白目の大鬼。


大鬼は鬼種族の中でも体格が大きいが鬼種族の中では下位の存在である。

そのハズだ。

しかしあの大鬼は何か、、、おかしい。まるで魔素もスキルも介さない存在の様な、、、この世界の異端の様な存在。


更に赤髪の少女と黒髪の少女、シンプルにステータスが高い。

下手な者達より強い。

しかしこの様な少女を戦闘に使用するのは心にくるものがある。


最後にこの女。

歳は19歳程か?

腐蝕人…ゾンビだ。

しかしながら一切目が死んでいない。

怯えることも声を出すこともこの地での扱いを受ければ出来ない。出来なくなる。

それでもその女は俺を見て怯える事ができた。

肝が据わっている。


腐蝕人

「なっなんだ。来るな!!」


アームス

「落ち着け俺はお前達と同じ召喚者だ。」


俺はこの腐蝕人の目の前に座る。


腐蝕人

「何を言っている?周りが見えてないのか?ここの召喚された者は全員感情が死んでいる。なんでお前は、なんで…。いやすまない。」


アームス

「すまんが少し話がしたい。戯言だとでも思って聞いてくれ。」


まぁこの腐蝕人の物言いは当然だ。

俺はここの者達の様に拷問を受けてない。

感情も死んでいないが俺は逆らえん。

逆らえないようにされている。

しかしこの女今も尚、抵抗している。

隷属の紋章に対して、何という胆力だろう。


そして俺の計画には都合が良い。



腐蝕人 

「はぁ?!なんで私がそんな事を!!しかも単独で?!死ねと言っている様なものじゃないか!!」


アームス

「違う。とりあえず俺はこの国に隷属されている。そして今、少なからずここの数十名と俺で"禍蟲洞窟"に向かう。魔王領だ。交渉し隷属から全員を解放して貰う。コレが今出来る我々の最善だ。」


腐蝕人

「むちゃくちゃな。私がなんで…」

アームス

「お前は隷属されていない。故に国からの監視がないのだ。俺は完全に隷属されている。故に勝手な行動をすれば即座に殺される。」


腐蝕人

「更にむちゃくちゃだ。逆らえば殺されるならお前の今の私との会話はどうなる?国の方針、王の方針に逆らっている。マシな嘘をつけよ?」


アームス

「俺のユニークスキル「傲慢者」の影響でこの程度なら悪巧みが出来る。もっとも反逆の意思を完全に示せば死ぬがお前達を解放する程度の試みなら問題なく対抗出来る。」


腐蝕人

「仮に魔王領に私が単独で魔王領に着いたとしてその後はどうする?私は敵の配下みたいなものだ当然、敵対されて死ぬぞ?」


アームス

「無理は重々承知している。頼む。他の奴等ならまだ助かる見込みがある。頼む。」


頭を地に着ける大男アームス。現状の状況ではコレが一番最善策なんだろうか?

失敗すれば死。魔物に襲われれば死。どちらに転んでも死だろう。

しかしこんなクソみたいな地で死ぬつもりなど私には

無い!!


腐蝕人

「死んだらマジで祟るからな。」


アームス

「ありがとう。」










………………………………………………………………

作者メモ 召喚奴隷とは?何故人間国は召喚しまくる?



人間とは、やたらと繁殖能力と知識、応用力が高く、宗教を信じた結果被害妄想が酷くなり結果恩を仇で返す種族である。


昔はエルフやドワーフなどの"亜人種"とも共存し知識を教えてもらっていたりしていたが宗教関連で敵対しました。


ドワーフからは機械系の技術をエルフからは魔法系の技術を教えて貰い習得していた為、その繁殖能力の高さと偶に現れる"天才"によって大繁栄を遂げた。


召喚奴隷:国民"は"宝というのが方針であり出来れば使いたくないので、他の世界から召喚しようということで召喚奴隷を各国で取り入れている。


嫌なところで合理的の為、逆らわない様に徹底して奴隷化を施している。


一応の倫理として、戦闘用以外の用途で使用しない事が決められているので快楽目的で使用した場合は罰則となる。



まぁ感覚としては言葉の通じるペットみたいなもんです。

犬相手に欲情すんなよ?的なマナーみたいなもんなので罰則が無くても白い目で見られます。

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