第12話 異世界からの転移者と魔王幹部
____クロイダ帝国領地内フレスィア村_____
フェルネチィア王国と呼ばれる人間国がある。広大な領地と資源更に積極的な異世界の住民達の召喚と隷属によって栄華を極めていた。
だがその国が堕ちる。
「おいおい聞いたか?なんでもあのフェルネチィア王国が"破滅の龍神"に手を出してから一切連絡が取れないらしいぞ…。」
「そりゃお前なぁいくらあのフェルネチィアと言っても勇者がいない状態であの"魔王"に手を出して無事な訳がねぇよ。むしろ2日もよく連絡取れてたってもんだ。」
"破滅の龍神"と呼ばれる魔王はその名の通りの破滅をもたらす厄災であり禍の魔王の全ての行動は大いなる災いとして語り継がれている。
「けどなぁ悪い話だけじゃなねぇぞ?なんと!!びっくりあの勇者グウロス様が軍を率いて"魔王アリシア"に宣戦したらしい。」
「魔王アリシアか確か二つ名が"暴怒滅尽の竜皇女"だろ?グウロス様なら勝てるだろうけどあの魔王の領地内にはエルフやら竜蜥人共がいるだろ?いくらグウロス様でも勝てんのか?」
「さぁなけど勝てると思うぜなんせ相手はあのグウロス様だからな!それに勝てばエルフやドワーフも必然的に捕虜として連れてこられる。そしたらそいつらの技術で兵士の戦闘力も爆上がりして速攻で魔王9体殲滅できるぞ?」
「とりあえずグロウス様がいる地方からあの魔王まで軍を率いてんなら1ヶ月ぐらいで着くだろ。魔王もそれまでの命だな。」
「違いないな!!」
そんな会話を楽しむフレスィア村に迷い込だ"者"がいた。
「うッ痛ってぇなぁ んだぁ??何処だぁここ?」
否、迷い込んだのはこの世界そのものにであった。彼は世界を渡ってしまったのだろう。俗に言う"転移者"である。
彼の目に映る光景は先程まで見ていた光景とは変わって質素な村の様なものだったが彼はよく分かった。
ここは異世界であると自分は異世界転移してきてしまったのだと。
「そこのお前動くな!!」
彼が振り返るとそこには剣を向ける人間がいた。傭兵であろうか?
「ん?いやちょっと待てってなんでいきなり剣向けてっ「黙れ!!今より貴様は私の質問にのみ答えよ!」はぁ?」
彼が周囲の視線に気づき周囲を観察すると先程まで仕事をしていた村人達が全員コチラを見ていた。
まるで汚物を見るような羽虫を見るような冷たい視線であった。
(どうなってんだ?てかいきなり殺意マックスかよ。)
「何処からやって来たかは知らんが何故ハーフエルフが此処にいる、、、、答えぃ!!!」
(何言ってんだ?俺は人間だぞ。てかコッチはいきなり知らん所に飛ばされてマジもんの剣向けられんのも始めてなんだが?)
そう思いつつ彼は自身の耳を触る。するといつもの耳では無く微妙ながらに尖った形状であった。
「まっじかぁ〜。」
「知らぬ口を叩くな!!答えぬならば斬るぞ!!」
(俺がハーフエルフったことはマジっぽいな てか多分コレが"陽向"の好きなアニメでよくある異世界転移ってやつか。ハーフエルフは害悪判定されやすいって聞いてたけどここまでとは思ってねぇよ?けどまぁハーフエルフなら身体能力は高けぇだろ!!)
「答える気が無いようだな。悪く思うなよ。」
「しゃあっ!!」
傭兵より振り下ろされる剣は彼の者に届く事は無く剣は後方で村道に突き刺さっていた。
「なっ!!」
蹴り上げ。振り下ろされる剣の刀身では無く柄の先端を足の甲で蹴り飛ばし剣を弾いたのだ。
(よしとりあえず武器は奪った!案外どうにかなるな。あとは、、、、このあとどうスっか考えてなかったな。逃げっか、)
彼は野次馬を飛び越えて全速力で走った。
「クソっ!!そこのお前、兵舎に連絡を取れ!!異世界の服を着たハーフエルフが逃げたと、、、急げ!!」
「よっ!ホっ!はぁっ!!」
彼の者は障害物をいとも容易く避け全力疾走をキープしながら走っていた。
(とりあえずこの村デケェな多分俺が仮に転移者として転移場所が村の中央ってところか?どちらにしてもこのまま走ってても場所が分からん。なら!!)
「ウォッラァ!!」
彼の者は家の屋根に飛び移った軽く3m程の縦方向のジャンプをいとも容易く行い更に屋根から屋根へと飛び移り逃げる。
(ここの奴らは殺意マックスだ。多分他の場所でも同じだろうしなんでも良い。武器が欲しいな。)
彼の者は右前方の一際目立つ建物に目を付けた。
(あそこなら武器の一つや二つあるだろ)
数分もかかることなくその建物に到着したがそこは兵舎であったようだ。兵舎の傭兵達は報告を受け出現準備中、、、その敵陣のど真ん中に突っ込んでしまった。
「おい アイツじゃないか?」
「自ら出向いてくれるなんてなァ?」
「殺せぇ!!」
(やっべ 来る何処ミスったかっ!!)
フォン
ザン!!
ギャリ!!
複数人の傭兵からの斬撃は間一髪で躱した。
そして(あった。剣だろ?アレ)お目当ての武器を見つけ彼の者は、武器に向かって突進し右の手で掴むそして後ろから迫る傭兵に振り向きざまに抜刀し"剣"ごと腕を叩き斬る。
ザシュっ!!
人体は6割水分で出来ていると強く感じる様な音であった。
「あっあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「バカな!!アレは練習用の模造刀だぞ?!!」
「相手はハーフエルフだぞ。身体能力を俺達と同じだと思ってんじゃねぇ!!」
傭兵達に緊張が走る。
(マジか、剣はたき落とすつもりだったんだが腕ごとやっちまった。)
「まっいっか、テメェら追いかけてくんなら斬るぞ!!」
(適当な脅しだがどうだ?多少はビビってくれよ?)
「ハーフエルフ風情が調子に乗りやがって 打てぇ!!」
彼の者がその言葉に反応した左前方より迫る一閃の物それの中央を弾く様に叩き斬る。(矢か) 叩き斬ったそれを見て判断する。
(リアルで見るのは始めてだな。つか一応見えるっちゃ見えっけど面倒くさいな。剣道やってたから剣は使えっけど弓兵もいるなら分が悪い逃げが最善か。)
彼の者は模造刀を持ち逃走を再開した。迫る矢の雨を自らに届く物のみ斬り飛ばしながら。近くの森で射線を躱し巻くことに成功した。
「ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ ふぅ~。」
「マジでなんだってんだよ。いきなり殺そうとしやがって。けどとりあえずは巻いたか?」
出来るだけ離れようそう思った矢先、村の方から上空へ赤い煙の線が昇る。
(アイツらの合図、、、、、だろうな。もう少し離れっか)
それから数分間走っていたが不意にその足を止める。
目の前に誰かいる。
遥か前方だが黒い人影があった。
輪郭が分かりづらいが確かに人の形をしているだが何処となく不気味であり無数の突起物が生えているようだった。
おそらくは相手もコチラに気づいているだろう。
そして…「魔の護槍」その声が聞こえるとほぼ同時、眼前に突如その影は姿を現し槍の様な武器で突き殺そうとしていた。
(速っ!!軽く300mは離れてたろ!!)
槍の先端を剣で斬り弾く事でギリギリ防ぐ。
「ンだぁオメェいきなり」
「ン?なんだ、ハーフエルフか?何故此処にいる?」
(…今さっき突き殺そうとしてきたやつとは思えないぐらい落ち着いた声色だな。声が結構低いが女か?)
「私の槍を防ぐか?まぁいい。」
目の前のそれは槍を下ろすそれを見てコチラも剣を下ろしたが念のため反応できるように備えておく。
「先程は済まなかったな 姫の命令でこの先の人間国の村に用があるんだが、、、、ハーフエルフなら殺す動機がない。」
「流石にビビったわ てか割と話通じそうだな。その見た目で、」
「?…そうか異世界人か?まぁそんな奇っ怪な服装な奴は大抵そうか。お前こういうのは見たことがないのか?」
そう言って羽織っている布を軽くめくる。
その見た目は異質としか言いようがなかった。
一言で言うならゾンビの様なスケルトンの様な見た目である。
その腕や足は完全に骨で構成され白く内臓もないが
胸はそこにはありその部分を隠す様に包帯の様なサラシで綺麗に巻いている。顔は頬の肉がないもののかなりの美形で赤い目をしている。髪は白く何処か艶すら感じる。そして羽織る様にして黒いローブの様な物を身に纏っている。
そしてその見た目とその背後にある異様な武器の数々、白と黒の大鎌、刀身が光る大剣、火の文様のある刀、レイピアなど多種多様な武具の数々を背中に背負っている。
「見たことねぇな、てかコッチに来ていきなり殺されかけたもんでなんにも分からん」
その言葉を聞いた目の前の女は少し考えた後
「あぁ無理も無いか、お前人間国に転移してきたな?奴らは自分達以外の種族の事は奴隷か都合の良い道具としか見ていない。」
「それにお前は運が良いようだな。通常の転移者は魔法でコチラの世界に連れて来られる。そして待っているのは隷属か種族が違えば殺すからな。」
(思ってたよりヤバいなこの世界てかこの話的に人間だいぶヤバくね?)
「そりゃご丁寧にどうも、てかアンタ、、、名前は?」
「あぁ名乗ってなかったか?私は魔王フェルマナーマの配下、骸魔剣士のフルーネだ。お前は?」
「俺?俺はぁ快晴カカオだ。」
快晴カカオそれがこの異世界人の名前である。




