呪い164-法律と神の教え
(全く……殴って蹴られて早く逃げれると考えてるなんて……馬鹿だなあ)
代はそのまま、関節を決めて少年を押さえ込み
「騎士様……法律的に盗みはダメですよね?」
「……あ……ああそうだがでも」
「デモも何もない……法律でダメならダメなんだよ……法律は何のためにある? 一見は平等を謳ってるはずだろ? その平等性で冷静な判断が法律のはずだ……」
「しかし! 貴方の事をしていることは倫理に置いて外道のする事です」
「倫理? それは何処に規定されている法則だ?」
「神の教えです!」
「ならここの住人は全員神の教え通りに生きているのかな? そこの店の人! どうなんだ!」
「え! それは……」
目を逸らして俯く。
「神の教えってあれか? 聖堂で祈りでも捧げるのか?」
「ええ! 皆神の子です! その誕生を祈りを捧げる事は我々の役目です! そう神の教えにもあります!」
「してる? 店の人?」
代の言葉に店の人は
「そっそんな時間はない! 俺だって開店準備や家族の世話が……」
「そこの奥さんは!」
「えっと……してません」
「俺はしてるぞ!」
「僕もしている!」
「え! 私はしてない!」
「つまりまだらまだらという状態だな……この国では……神の教えに従う者もいれば従わない者もいる……なら俺がその倫理の教えに逆らう事に何の問題があるんだ?」
「確かにそうだが……でも斬り落とすのは?」
代は店の方を臭うと
「なあ? 血なまぐさいけど……その血は何の臭い? 君の店は果物屋のようだがどうして血が?」
その言葉に店の人間は
「えっと……でも法律で盗みを働いたら手を斬って罰を与えろっていう事を……」
その人間も盗みに対しては代と同じ罰を与えていたようだ。
「おいおい、俺は法律通りに行ってるじゃないか……一体何の問題がある!」
すると聖女は鬼の剣幕で
「なんてことを! 貴方はそれでも人間ですか! 貴方もです! 法律で定められてるからって! そんな酷い事を!」
「そうだそうだ! 許されないぞ!」
「法律なら何しても良いのか!」
「悪魔共めえ!」
店の人間は青ざめ
「嫌だって! お前だって! お前も! お前も! 皆いつもしてるだろ! それがおかしいってどうして今ここで!」
仲間である人を指を差した。
「な! 何を証拠に!」
「俺等がやったっていう証拠があんのか!」
「許せない」
自分の罪を認めようとしない皆を無視し、
「俺は皆が守っている法律を守っている……それは実在する人間が目の前で作った法律だからだ! しかし神はどうだ! 本当にいるのかどうかも分からないのに神の教えという言葉を使って守らそうとする! 本当にそれは神様が考えたのか!」
「当たり前です!」
「見たの? 神?」
「それは……見てませんが」
「ならそれをどうして神が決めた教えだと? どっかのオッサンかもしれないよ? もしくはただの詐欺師かもしれないよ? 確かめて神を」
「神を探ろうとする行為は悪のする事です! 疑うような真似はいけません!」
「お前がそう思うなら別にそれで幸せだろうけど……それを他人に押し付ける行為は本当に良くないと思うよ? 俺等は実在する人間が作った法律を守っている! 神とは違うあやふやな存在ではなく! 多少なりとも都合の良い様に作られているだろうけど一見は平等に作られたものだ……だが神の教えと倫理観は一体誰が作ったのかも分からない勝手に決めたルールをどう守れと? 神の教えって言うのは守りたい人だけが守れば良いんだよ」
そして、代は指を差した。




