呪い162-ひったくり犯
代は異世界にて果物を買った。
日本ではリンゴではあるが、
「ベルジャお買い上げ!」
ベルジャと呼ばれてどこか不安になった。
そして、歩きながらベルジャを臭い食べようとした。
「っく!!」
「うわ!」
一人の少年が当然のようにベルジャを奪った。
しかし、代は少年をすぐに捕まえて
「おら返せ……」
「嫌だ!」
そう言ってベルジャを返そうとせず、腕の中に隠す。
しかし、代は睨みながら
「盗む事は悪い事だ……そんなことはこの世界では常識ではないのか?」
と質問すると
「黙れ! 盗まれる方が悪いんだ! 法律なんて関係ない!」
その言葉を聞いて代は
「おいおい……法律があるならお前が悪いんだよ……どんな理由があろうが関係なくな……」
「五月蠅い! お前に何が分かる! 俺等みたいな奴はこうでもしないと生きていけないんだ! お前みたいな奴には分からないさ!」
「フーン……じゃあ分からないから取り返すね」
そう言って代は拳を握り少年の顔面を
バギイイ!
殴り付けた。
「うぐ!」
少年は痛そうにしながら倒れる。
「おいおい」
「あんな小さい子を」
「最低」
しかし、代はベルジャを放そうとしない少年の背中を
「おら放せ! 放せよ……返せばいいんだよ」
バシイ! バシイイ!
と何度も何度も蹴り付ける。
「くそおお! 嫌だ! これは弟や妹に食べさせるんだ!」
「まあ! 何て良い子! 自分ではなく自分の弟や妹に食べさせようとするなんて!」
「それなのに蹴るなんて……」
周りの冷たい目線に代は全く動じない。
寧ろいつも通りであり、そんなのは一切気にする必要性が無いからである。
「ほら返せ……何だその手が悪いのか? 俺の知っている国で悪い手は斬らないといけないらしいぜ?」
そう言うと隠し持っていたナイフを取り出して代は少年の手に当てる。
「きゃあああああああああああああああああああ!!」
「やめてええええええええええええええ!」
「な! 何て残酷な! 誰か騎士を呼べ!」
「うわああああああああ! 糞おおおおおおおおおおおおおおおお!」
そして、代は少年の腕に切り目を入れてそのまま押し込もうとすると
「待ちなさい!」
一人のシスターが睨み付けて来た。
「はい? なに?」
ブス!
「いあたい!!」
「止めなさいと言ってるでしょ!」
「だから何?」
代はそのまま話を聞きながら腕を斬ろうとナイフを引こうとするが
「止めなさい!」
シスターが代の腕を掴んで止めた。
「はあ? 何?」
「こんな小さい子になんてことをするんですか! たかがベルジャ一つにここまでする必要があるんですか?」
「返せばいいと思うんですが?」
「貴方は恵んであげるという思いにはならないのですか!」
「うん……ならないけど?」
「なんて心の狭い方なんでしょうか!」
「そうだけど? 何か問題ある?」
代のケロッとした態度にシスターは睨み着ける。




