十二話 ~異世界転移者&冒険者登録~
え?今この人俺が日本人か?って言ったよな。なんで日本のことを知っているんだ?
「・・・ちょっと待って下さい、なんで日本のことを」
「その反応だとどうやら図星だったらしいな」
でもちょっと待ってくれ。異世界転生者は果たして日本人というのだろうか?
「いや、正確には日本人かどうかは分かりませんが、だって俺って日本では死んでますし・・・」
「つまりお前は所謂異世界転生者ってことか?」
「はい、そうなりますね。・・・というかどうして分かるんですか?」
「なに、簡単なことだ、俺も日本から来たから。・・・というよりは気付いたらこの世界に来ていたってのが正しいが」
・・・マジか。いや、でもこの人ってクルスって名前だったよな。とても日本人の名前とは思えないんだが
「いや、でも貴方の名前って」
「日本人の名前に思えないか?まあ当たり前だな、クルスって名前は適当に付けた偽名だしな」
偽名って・・・じゃあ本名はなんだ?
「じゃあ本名はどういう・・・」
「俺の本名は青井修助、元は普通のサラリーマンだ。・・・でもこっちじゃクルスって名前で通ってるんで人がいる時はそっちで呼んでくれ」
青井修助さんね・・・驚きはあるけど俺以外にも日本の人がいることに安心した
「はい、了解です。一応俺もフルネームを、俺は雨乃龍斗と言います。ちなみにこっちに来る前は至って普通の高校生でした」
「ふむ、把握した。これからよろしくな!困ったことがあれば俺がいつでも相談に乗ってやる」
やっぱりこの人はいい人だったな。いつでも相談していいのなら早速
「ありがとうございます、悪いですけど早速相談が・・・」
「・・・早いな」
「いや、本当にすいません、でも下手したらこっちの世界じゃ致命的なので」
「致命的ねぇ、なら確かに早く相談した方がいいな、言ってみろ」
「モンスター殺しについてです。・・・実は目が覚めたら森にいて、その時にモンスターも殺しはしたんですが。・・・その後吐いたんです。だから慣れるのを手伝って欲しいんです」
「あぁ、確かに日本にいれば普通は生物を殺すなんてしないからな。本当にあれは慣れるまではキツい、俺も最初の頃は殺した後に盛大に吐いたしな」
やっぱり普通は、最初のうちは吐くんだな。
「それで慣れるまで手伝って欲しいって?了解だ」
よかった手伝ってくれるらしい。・・・あれ?でもそういえばゼティス様は一年前に召喚された奴らが躊躇いなくモンスター殺しをしてたから感覚が麻痺してたって言ってたよな?なんでこの人のことを気付いてなかったんだろう?
「あの・・・ところで修助さんがここに来たのって・・・」
「だいたい二年ぐらい前だ」
それなら納得だ。召喚儀式が発動したのが一年前らしいからな。
「そうですか・・・ありがとうございます」
「いいってこった。それよりもモンスター殺しの件だがいつがいい?」
出来るだけ早いほうがいいけど、今日はもう嫌だし
「明日からでいいですか?」
「了解、明日からな。俺は基本的にはギルドにいるから明日はギルドに来い。それでどうする?もうギルドに戻るか?」
「そうですね。戻りましょうか。まだ冒険者登録もしてないですし。・・・あ」
「どうした?」
割と重要なことが頭に浮かんできた
「あの・・・登録するときに試験とかってありますか?」
「いや、ないな」
よかった。ないらしい
「分かりました、教えて下さってありがとうございます」
「いいってことだ。気にするな」
そして俺達二人は冒険者ギルドに戻っていった
「ねぇリュート!大丈夫だった?何もされなかった?」
戻ってくるとレニアにめちゃくちゃ心配された
「いや、なにもされなかったぞ、むしろ凄くいい人だった」
「そうだぞ、俺は凄く優しいんだぞ、アンタはこいつに何すると思ってたんだ?」
「うっ、・・・ごめんなさい、てっきりリュートのことを殴りに行ったのかと」
「・・・なんで俺はさっきから、理由もなく人を殴る奴みたいに思われてるんだろうな。流石に傷つくぞ」
「「本当にごめんなさい!」」
俺とレニアがハモった。・・・本当にすみませんでした
「はぁ・・・もういい、早く登録済ませるぞ」
「あっ・・・はい、お願いします」
そうして俺が登録をしに受付に向かったとき再びレニアの様子が変わった
「待ってリュート!登録するの!?」
どうしたんだろう?
「うん、登録するぞ?ほらレニアも言ってただろ小遣い稼ぎなら採取系の依頼って」
「確かに言ったよ!でも採取系の依頼は安全な所に行くから登録しなくても受けれるの!」
そうなのか、採取系は登録しなくても出来るのか
「だけど登録しちゃうとモンスターと戦うことになるんだよ!負けたら死んじゃうんだよ!」
そうだ、確かに負けたら死ぬ。だけど無茶さえしなければ多分どうにかなる。だから取りあえずレニアを落ち着かせよう
「大丈夫だからな!絶対に無茶はしないし、危なくなったら戻ってくるから!だから落ち着いてくれ!」
「・・・ホントに?絶対に無茶しない?死なない?」
「ホントだ、無茶はしないし絶対に死なない。・・・というか俺自身死にたくない」
「・・・ならいいよ」
よし!許可は貰ったな。俺自身そもそも死にたくないし、レニアを悲しませたくないから絶対に無茶はしないようにしよう
「クルスさん!お待たせしました」
「・・・お前、あの娘に愛されてるなぁ」
愛されてる?なに言ってんだこの人。普通は友達には死んでほしくないだろうに
「そんなのじゃないと思いますけど・・・」
「羨ま死ね」
「酷い!」
こんな風に軽口を叩きながら受付に向かってる途中大変なことに気付いてしまった
「・・・修助さんどうしましょう」
小さな声で聞いてみた
「うん?どうした龍斗」
「大変なことに気付きました」
「・・・なんだ?」
「冷静に考えてみたら俺はこの世界の文字が分かりません!」
もし登録が文字を書くものだった場合、そこで不可能なのだ。・・・ステータス画面は何故か日本語だったけど
「・・・それは確かにまずいな、でも安心しろ、この世界では文字が書けない人も沢山いる、だからこそ冒険者ギルドの登録には代筆サービスがある。この世界の文字は俺がしっかり教えてやるから今回は代筆して貰え」
よかった、代筆して貰えるのか
「はい、そうします。何から何までお世話になりました」
「・・・その言葉だとなんだか別れるみたいだぞ」
「確かにそうですね。・・・これからもお世話になると思いますがよろしくお願いします。それじゃあ行ってきます」
「行ってこい!」
そうして俺はようやく受付に到着した
見事にテンプレの一つである美人な受付嬢に当たった
「あの、すみません冒険者登録したいんですけど」
「はい、登録ですね。最初に貴方のお名前を聞かせて下さい」
「雨乃龍斗です」
「アマノリュウトさんですね、ところで文字は・・・」
「ごめんなさい、分かりません」
「そうですか、それなら私が代筆致します」
「お願いします」
試しに受付嬢の人が書いている文字を見てみた。・・・どうしよう、全く分からん
「はい、次はこの水晶に手を当てて下さい」
「あ・・・はい、了解です」
多分だがこれもテンプレが起きる気がする。具体的には適正とか・・・だって可能性の種持ってるもの
「ふむふむ、適正は・・・え!?」
・・・ほらね
「どうしたんですか!?」
分かっているが一応聞いてみる
「適正属性オール・・・貴方は何者ですか!?」
「え?・・・なんだろう」
実際のところ何者と言われても返答に困る訳で
「どういうことだ?」
「待て、全ての適正を持つ人物なんて聞いたことがないぞ!」
「そうだ!天才と呼ばれる奴が持ってるモノでも多くても四つだって言うのに!」
「あの新人はいったい何者なんだ!」
おいおい、ギルド内がカオスに包まれてるぞ
「取り乱してしまいすみません、それでは今度はステータスを」
「あの・・・出来ればスキルは見ないでいただけると・・・」
「おや?何故ですか?」
「いや、・・・あの、別に悪いものがある訳ではないんですけど・・・というか別に見てもいいですけど絶対に驚かないで下さい」
「それは勿論です」
「それで、ステータスを見せるってどうすれば・・・」
ゼティス様に聞いたけどステータスは基本人に見せるものじゃないって言われて聞いてなかったんだよなぁ
「この魔石を持って普通にステータスを見るときと同じようにして頂ければ大丈夫です」
なんだ以外と簡単じゃん
「分かりました」
そうして俺は魔石を受け取りステータスを開いた
「あれ?能力値は平均より少しだけ高いぐらいですね。それじゃあスキルは・・・!?」
やっぱり驚いてるじゃん。まぁ加護なんてあったら当然だけどさぁ
「あ、あのリュウトさん?・・・ここに表示されてる最上神の加護とは?」
そう小さな声で聞いてきた
「文字通りの意味だと思います。恐らく俺の能力値が平均より少し高いのはそれが理由かと」
「それで、どうして加護なんて?」
「分かりません。というか本人に聞いたらお節介とかなんとか・・・・あ」
ヤバイ!俺今凄い失言した
「本人に聞いた!?今本人に聞いたって仰いました!?」
「ナ、ナンノコトデスカ」
誤魔化しが下手だな俺は!
「・・・正直のところ出来ればあんまり詮索しないで下されると助かります」
「凄く!凄く気になりますが!確かにそうですね。分かりました詮索はしません」
物分かりのいい人で助かった
「色々と聞きたいことはありますが、これで冒険者登録は完了です。ギルドカードをお受け取り下さい」
「はい、ありがとうございました!」
ランクについても聞きたいがそれについては修助さんに聞くことにしよう。
さてと、そろそろ戻るかな
後の話と矛盾の出る箇所を修正しました




