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二時間目を待ちながら  作者: 白上 しろ
42/45

二時間目を待ちながら(42)

 ある日。二時間目を待ちながら。


 千秋が冬菜の所にやってきました。

「あっ、千秋さん、おはようございます」

「おはよう」

「今日はどうしたんですか? 教科書忘れたから借りに来たとかでしょうか?」

千秋は首を左右に振りました。

「何と、なく」

「そ、そうですか。そう言えば、千秋さんとは高校に入ってクラスが別れてから、中学の頃みたいに一緒にいる事が少なくなりましたね。あの時はずっと一緒でしたから」

千秋は無言で少し頷きました。

「でも千秋さんとはずっと友達ですよ! これからもずっと!」

「分かってる」

冬菜は力んで言いましたが、千秋はボソッと言いました。

「あの、千秋さん。クラスで新しい友達は出来ましたか?」

「新しい、友達?」

「はい」

千秋はしばらく無言の後、言いました。

「人間で?」

「え!? もっ、もちろんです! 他に何があるんですか!?」

千秋はしばらく無言の後に言いました。

「友達か、どうか、分からないけど、話せる、人は、いる」

「そうですか。その人が新しい友達じゃないですか? どんな人ですか?」

千秋はまた、しばらく無言の後に言いました。

「普通、かな?」

「普通、ですか? それだけだと分かりづらいです・・・・・・」

「特徴らしい、特徴が、ない」

「そ、そうですか。あっ、もしかして男の子、とか?」

千秋は首を左右に振りました。

「多分、女」

「た、多分って何ですか!?」

「自分の、こと、いつも、『ボク』って、言っている」

「そうなんですか? ボーイッシュな人ですか?」

千秋は首を横に振ります。

「ロンゲ」

「ロ、ロンゲって男の人に使う言葉ですよ!? やっぱり男の人なんじゃ・・・・・・」

「多分、女」

「多分、って。セーラー服、着てますか?」

「うん。でも、セーラー服は、男性でも、着る人が、いる」

「いっ、いません! え? あれ? でも、もしかして女装していたり?」

「私も、調べた、訳じゃ、ないから、はっきりとは、分からない」

「何か女の子として不自然な所とかないですか?」

「サッカー、好き」

「サッカー好きな女の人はたくさんいると思います! もっと他に明らかに不自然な所とかはないですか?」

千秋はしばらく無言の後、言いました。

「そういえば」

「そ、そういえば?」

「大きい」

「大きい? 体つきが男性みたいにごつごつしていて大きいんですか!?」

「胸が」

「え?」

「同じ、高校生とは、思えない。あれは、不自然」

「そ、それはでも、決定的に女の子ですよね?」

「あの、大きさは、絶対に、不自然! 不自然、だっ!」

「あの…… 聞いてますか? 私の話……」


二時間目開始のチャイムが鳴りました。

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