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二時間目を待ちながら  作者: 白上 しろ
37/45

二時間目を待ちながら(37)

ある日。二時間目を待ちながら。


心春が写真を見ていました。そこに夏海がやって来ます。

「心春、何見てるの?」

「写真だよ」

「写真?」

心春は写真を夏海に見せます。

「朝日? 全部、朝日なん?」

「ううん。朝日じゃなくて、夕日だよ」

「夕日か。なんでこんな写真ばっかり持ってんの?」

「夕日を撮るのが趣味なの」

「趣味? 夕日の写真撮るのが?」

「うん、そうだよ。家に帰ったら、夕日が見える時間に写真を撮りに行くの。夕日って何か物寂しげだけど、同時に強いエネルギーを感じたりもするの」

「ふーん。心春の感性はちょっと独特やな・・・・・・」

「ほんとはね、朝日も撮ってみたいんだけど」

「朝、起きられへんと?」

「正解!」

「他に何か撮れへんの?」

「最初は色々撮ってたんだけど、今は夕日にはまっちゃって」

「『夕日にはまる』って、なんかちょっと、かっこいいな」

「気がついたら夕日を撮るようになってたの。こういうの、なんていうのだろう? つまり」

「無理して言わんでいいよ」

「そう、夕日がね、私を呼んでるの。呼んでるんだよ?『おーい、心春!』って」

「もう、かっこいいを通り越して・・・・・・」

「プロとか?」

「病気やな」

心春はガクッと肩を落とします。

「いや、冗談やで」

「まぁ、ちょっと大袈裟に言ったけど、結構、素敵だよ」

「心春の口から『素敵』かぁー。ふ~ん、今日も行くの?」

「行きたいんだけど、昨日雨が少し降っていたでしょ? 体操服がまだ乾いてないと思うの」

「え? 体操服で写真撮ってんの?」

「うん。そうだよ」

「素敵やわ」


二時間目開始のチャイムが鳴りました。


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