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二時間目を待ちながら  作者: 白上 しろ
36/45

二時間目を待ちながら(36)

ある日。二時間目を待ちながら。


心春が夏海の所にやってきました。

「ねぇ、夏っちゃん。昨日ね夜道を歩いていたらね、知らない人が後ろを歩いていて」

「うん。追いかけられた?」

「ううん。ただ後ろを歩いていただけなんだけれど、夜中だし、知らない人だろうし、怖いな、って感じたの」

「まぁな。出来るだけ夜中とか一人で歩かんことやな。その人に悪気はないんやろうけど、やっぱり怖いな」

「うん。その後ね、いきなりその人が走ってきて、思わず振り向いたの」

「実は知ってる人やったとか?」

「ううん。やっぱりね、知らない人だったの」

「まぁ、ほとんどの確率でそうやろな」

「どうしよう! って思って」

「なんで?」

「だって後ろからいきなり走ってくるんだよ!?」

「まぁ、でも、どうしようもないやん。極端な行動したら相手の人にも失礼やしな?」

「そう。あの瞬間はどうしようもないよね。相手に自分の運命を委ねられるよね?」

「そんな大袈裟なものか? まぁ、万が一、襲われたりすることもないとは言い切れんからな」

「うん。私を襲ってもどうしようもないのに」

「ほんまや」

ちょっと心春はムッとします。

「え? だって自分で言うたんやん!」

「そうだけど、そうなんですけど。『そんなことないよ』って言ってくれてもいいんじゃない?」

「『そんなことないよ』って言って欲しい訳? なんや面倒くさいな。じゃ、そんなこと自体ないよ」

「『そんなこと自体ない』って、私が襲われる事自体ないってことになっているよ! こう見えて『かわいい』とか言われる事もあるんだから」

心春がムスッとして言うと夏海が言いました。

「そんなことないよ」

「『そんなことないよ』の言うタイミングがおかしいよ!」

「まぁ、お互い暗くて顔まで分からんからな。襲われる可能性はある」

「フォローになっていない分析をどーも、ありがとうございます」

「でも、なんで心春は夜中にウロウロしてたん?」

「牛乳が無かったから買いに行ってたの」

「夜中にわざわざ?」

「うん。だって飲みたかったんだもん。お風呂上がりに」

「我慢しいよ! 一日くらい。そんな危険をおかしてまで買いに行かんでも」

「そうだね。これから我慢する。でも、昨日出会ったあの人ももしかして牛乳を買うためにわざわざ・・・・・・」

「絶対に無い!」

「言い切れる?」

「うん。その人に確かめてもいいわ」

「知らない人だから、もう確かめるなんて無理だよ」

「昨日と同じ場所で夜中に待ち伏したらいいねん。前を通ったら追いかけて尋ねてみたら」

「私が逆に驚かせちゃうよ!」


二時間目開始のチャイムが鳴りました。


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