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二時間目を待ちながら  作者: 白上 しろ
30/45

二時間目を待ちながら(30)

ある日。二時間目を待ちながら。


夏海が心春の所にやってきました。

「最近、風邪が流行ってるらしいな」

「みたいだね。朝のニュースでも言ってたよ。『風邪にご注意ください。ハックション!』って」

「キャスターが風邪ひいてるやん。心春は大丈夫なん?」

「うん。今の所はね。毎日、帰ったらうがいしてるもん」

「うちもやわ。うがいは大事やな」

「そうそう。私ね、一回のうがいで結構息が長く続くんだよ」

「ふーん」

「最初はすぐに息が切れたけど、毎日繰り返すうちに結構長い時間、うがい出来るようになったんだ」

「へー、それは良かった」

「夏っちゃん。良かったと思ってないでしょ?」

「いや、まぁ。やっぱ、うがいは長くした方がいいかも知れんけど、無理にしたら逆に体に悪いんとちゃう?」

「うがいの自己ベスト記録を超えたいと思わない?」

「え? 何?」

「自己ベスト記録」

「聞こえてはいるけどな。自己ベスト記録? まさか心春、うがいする時、時間測ってるの?」

「もちろん!」

「もちろん?」

夏海は感心していいました。

「・・・・・・アホ?」

「しかもタイムウォッチでだよ!」

「『しかも』の意味も分からんし」

「うがいをする前に何度か深呼吸して、水を口の中に入れます。そして大きく大きく鼻で息を吸ってタイムウォッチをスタート! 同時にガラガラとうがいをします」

「それ面倒臭いなー」

「うがいはもともとちょっと面倒だから、せめて楽しんでやろうと思って」

「それ、楽しい?」

「うん。やってみたら、結構楽しいよ」

「あぁ、そう。なんか羨ましいわ」

「じゃ、夏っちゃんもやってみる?」

「いいです」

「そう? 楽しいのに。でもこれをするのに、一つだけ問題があるの」

「え?」

「息が続くまでうがいをするんだけど、ギリギリまでするから、むせてしまって、うっかり飲んじゃう事があるんだよね~。ド・ン・マ・イ!」

「『ドンマイ!』じゃない! 汚いわ!」


二時間目開始のチャイムが鳴りました。


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