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二時間目を待ちながら  作者: 白上 しろ
24/45

二時間目を待ちながら(24)

 ある日。二時間目を待ちながら。


 夏海の前を、紙飛行機が横切りました。

「わっ、何? 紙飛行機?」

夏海が周囲を見渡すと、教室の入り口に、千秋が紙飛行機を飛ばした最後のポーズのまま、立っていました。

「千秋が飛ばしたんか?」

千秋はスタスタと飛ばした紙飛行機を取りにいくと、今度は夏海の所にやってきました。

「どう?」

「『どう』って、言われても」

「飛ばして、みる?」

千秋は夏海に紙飛行機を差し出します。

「え? いや、ええよ。別に」

「そう?」

「なんで紙飛行機なん? クラスで流行ってるんか?」

千秋は左右に首を振りました。

「私だけ」

「そ、そうなん?」

「これ、飛ばすと、面白い」

「紙飛行機やったら、うちも作るの結構うまいで。子どもの時よく作ったからな」

「やっぱり」

「やっぱり?」

「そんな、気が、した」

「そんなオーラあんの? うち」

千秋はこくりと頷きました。そして千秋は夏海をしばらく見つめていました。

「あ? 何? もしかして、作って欲しい、とか?」

千秋はまた頷きました。

「いい?」

「まぁ、ええけど」

「ほんと?」

「うん」

無表情の千秋の顔に一瞬、子どものように喜んだ表情が見えました。

「ありがとう。お礼に、これ、あげる」

千秋は夏海に紙飛行機を差し出しました。

「いや、別にいらんで」

千秋は夏海の机に紙飛行機を置いて、自分のクラスに戻って行きました。

「千秋も、心春みたいに子どもやからな」

夏海がつぶやくと

「はい? 何か言った、夏っちゃん?」

近くにいた心春が反応しました。

「いや、独り言や」

夏海は何気に、千秋が置いて行った紙飛行機を見ていました。

「ん? え? これ、すごい上手やん! めっちゃ細かく作られてるやん! うち、こんなん作られへんで!」

夏海は見事な紙飛行機を見て驚いていました。

「何? どうしたの? 夏っちゃん」

心春がまた尋ねました。

「いや、スマン。今のも独り言・・・・・・」


二時間目開始のチャイムが鳴りました。


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