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二時間目を待ちながら  作者: 白上 しろ
19/45

二時間目を待ちながら(19)

 ある日。二時間目を待ちながら。


 心春が夏海の所にやってきました。

「ねぇ、夏っちゃん。昨日テレビでやってた爆弾の特集、見た?」

「爆弾の特集? なんか物騒な番組やな」

「魚雷が近づいてくる戦艦に水中で爆発するの。ドカーン!」

「ふ~ん。なんでそんな番組見たん?」

「たまたま、テレビ付けたらやってたの。それから、お風呂に入ろうとしたんだけど、入ったら魚雷がドカーンて爆発するんじゃないかなって心配になって」

「魚雷がねぇ……」

「夏っちゃんもプールで泳いでいて、いきなりドカーンって爆発したらびっくりするでしょ?」

「びっくりするだけで、済んだらいいけど」

「夏っちゃんがもし、海に入ろうとして、みんな普通に海で遊んでいるのに、夏っちゃんだけ水に入った途端、ドカーンってはじき飛ばされたら、びっくりすると思うの」

「待って。なんでうちだけ海に入った途端はじき飛ばされるの? それやったら海に入っている人、みんな吹っ飛ばされるやろ?」

「ううん。その魚雷は賢いんだよ。狙った獲物しか爆発に巻き込まないの」

「だから、なんでうちやねん!」

「例えば、だよ。でも、もし夏っちゃんが世界中を敵に回して、命を狙われる事になっても、この私が—― 」

「まずそんな状況ありえへんけど。じぁ、まぁ、仮になったとして、どうやって守ってくれるんや?」

「代わりに生き延びるから」

「心春は命狙われてへんから生き延びて当然やろ! なんでうちだけ不幸な目に遭うねん。ドラマや映画で言うところの『かわいそうなのヒロイン役』みたいな」

「ヒロイン!? 夏っちゃん、本当に命を狙われるよ!」

「うるさいわ! でも命狙う言うたら、お金持ちのする事やろ? もしかしてうちのを命を狙いに来たんじゃなくて、うちをさらいに来る設定やったら、その話に乗ったってもいいなぁ。お金持ちのかっこいい青年に『お前を奪いにきたぜ』なんて、ちょっとロマンティックやない?」

「う~ん。まぁ、ね?」

「なんや、その愛想笑いは! 例えベタでも、心春にはこういう乙女心がないんか?」

「う~ん。じゃ、夏っちゃんが、そのかっこいい青年と出会ったとして」

「うん」

「どのタイミングで魚雷を飛ばしたらいいの?」

「うちらは水中で出会ってたんか! って言うか、そもそも、なんで魚雷の話を持ち込むねん!」

「そもそも魚雷の話をしていたんだよ?」


二時間目開始のチャイムが鳴りました。


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