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二時間目を待ちながら  作者: 白上 しろ
17/45

二時間目を待ちながら(17)

 ある日。二時間目を待ちながら。


 冬菜が夏海の所にやってきて挨拶しました。

「おはよう御座います」

「お、冬菜。おはよう。そんな堅苦しくせんでいいで」

「はい。あの、今日はリボン付けてきたんですね」

「リボン?」

「はい。とても似合ってると思います」

夏海が自分の頭をさわると、確かにリボンらしき物が付いていました。

「ほんまや。心春やな。いつの間にこんなんつけたんや? どうりで姿見せへんと思ったら」

「心春さんが付けたのですか?」

「せや。こんないたずらするのは心春しかおれへん。冬菜、心春を探すで」

「あっ、はい!」

二人は教室を巡回して心春を探しますが、見つかりません。

「たぶん、千秋のクラスに行ったな」

「探しに行きましょうか?」

「まぁ、もういいか。これ以上、冬菜にも悪いし」

「私は全然構いませんよ」

「でも、まぁ。そのうち戻って来るで。しばらく放っとこ」

「もしかして、ですが、心春さん、私達が来るのを待ってるんじゃないでしょうか?」

「え? どういう事?」

「夏海さんが探しに来る目的でいたずらして、隠れて待ち伏せして、今もなおずっと見つけてくれるのを待っているような気がします。心春さんは夏海さんに早く見つけて欲しいと、思っているんじゃないでしょうか?」

段々と力を込めて話す冬菜に、夏海は曖昧な返事をしました。

「う・・・・・・ん」

「行きましょう! 夏海さん」

「う~ん。・・・・・・でも行くの面倒くさいなぁ」

「え?」

「チャイム鳴るまでには戻ってくるよ」

結局二人は心春を探すのを諦めました。しばらくして

「やっほ~!」

と心春が戻ってきました。

「『やっほ~』とちゃう! うちの頭にリボン付けたやろ!」

「かわいかったでしょ?」

「勝手に人の頭に付けるな!」

「夏っちゃん探しに来ると思ってたのに」

「そう心春が思ってると思って、あ、え、て、探しに行けへんだの」

「夏っちゃんの意地悪!」

「どっちが意地悪やねん! でも冬菜が探しに行こうって誘ってたな」

「え? そうなの?」

冬菜は恥ずかしそうに慌てた様子で言いました。

「あっ、はい。心春さん、待ってるような気がして」

「そうなんだ。ありがとう、ふーちゃん」

「そろそろ次の授業始まるで」

「そうだね。各自、自分の持ち場に移動!」

心春は自分の席に向かい、冬菜も席に戻って行きました。ふと夏海が気が付きました。

「(あれ?)」

冬菜の肩にさっきのリボンが付いており、夏海が呼び止めます。

「冬菜!」

冬菜が『はい』と、振り返りると、肩のリボンが羽ばく前の蝶のように揺れていました。妙に冬菜の雰囲気に合っています。呼び止めたものの、夏海はこれもありかな、と思いました。

「いや、やっぱ何でもない」

「ん?」

「似合っているよ」

「え?」


二時間目開始のチャイムが鳴りました。


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