表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
74/79

# 第二部 第二十二話 君は一人じゃない

# 第二部 第二十二話 君は一人じゃない


願いの部屋。


---


赤い光。


---


黒い影。


---


『帰りたい』


---


『助けて』


---


『誰もいない』


---


叫び声が響く。


---


苦しい。


---


寂しい。


---


悲しい。


---


聞いているだけで胸が痛くなる。


---


影は巨大化していく。


---


春風マンション全体が揺れる。


---


天井に亀裂。


---


壁に亀裂。


---


未来の火事が近づいていた。


---


創設者が叫ぶ。


---


「もう時間がない!」


---


「止めるなら今しかない!」


---


修司は前へ出る。


---


黒い影を見る。


---


その姿。


---


誰かに似ていた。


---


結衣。


---


かなめ。


---


ひまり。


---


るな。


---


蓮。


---


美咲。


---


そして。


---


昔の自分。


---


孤独だった頃の。


---


居場所がなかった頃の。


---


自分自身。


---


修司は拳を下ろした。


---


「戦わない」


---


全員。


---


「え?」


---


創設者も驚く。


---


修司は影を見る。


---


そして。


---


静かに言った。


---


「お前」


---


『……』


---


「ずっと一人だったのか」


---


静寂。


---


影が止まる。


---


初めて。


---


動きが止まった。


---


『一人だ』


---


かすれた声。


---


『誰もいない』


---


『誰も見てくれない』


---


修司は首を振る。


---


「違う」


---


影が震える。


---


「ここを見ろ」


---


修司は後ろを指差す。


---


春風マンションのみんな。


---


結衣。


---


「大丈夫ですよ」


---


かなめ。


---


「それ絶対違います」


---


ひまり。


---


「帰ってこい!」


---


怜司。


---


「まあ何とかなるだろ」


---


るな。


---


涙を流しながら。


---


「……怖いです」


---


「でも一緒にいます」


---


ルナ。


---


「知ってるよ」


---


「ずっと待ってた」


---


蓮。


---


「一人じゃない」


---


美咲。


---


「帰る場所はあります」


---


神崎。


---


「人生そんなもんだ」


---


「だから助け合うんだ」


---


三枝さん。


---


「ご飯できてるよ」


---


「帰っておいで」


---


加賀谷。


---


「ほう」


---


「随分待たせたな」


---


静寂。


---


影が震える。


---


『……帰っていいの?』


---


その一言。


---


子供みたいだった。


---


ずっと。


---


ずっと。


---


言えなかった言葉。


---


修司は笑った。


---


優しく。


---


まっすぐ。


---


「当たり前だろ」


---


そして。


---


手を差し出す。


---


「帰ってこい」


---


静寂。


---


影の体が崩れる。


---


黒い闇が。


---


少しずつ。


---


光へ変わっていく。


---


『ありがとう』


---


涙声だった。


---


『ずっと』


---


『見つけてほしかった』


---


光が溢れる。


---


願いの部屋を包む。


---


春風マンション全体を包む。


---


そして。


---


消えた。


---


静かに。


---


優しく。


---


まるで。


---


最初からそこにいた風のように。


---


静寂。


---


揺れが止まる。


---


赤い光も消える。


---


未来の火事。


---


消滅。


---


ルナが息を呑む。


---


「知ってるよ」


---


涙を流しながら笑う。


---


「いや」


---


首を振る。


---


「知らない」


---


「こんな未来」


---


「初めてだ」


---


未来が変わった。


---


完全に。


---


その時。


---


未来のるなの体が光り始める。


---


るなが振り向く。


---


「え?」


---


未来のるなは笑った。


---


泣きそうな笑顔。


---


「もう大丈夫」


---


静かな声。


---


「私の役目は終わり」


---


るなが涙を流す。


---


「待って」


---


未来のるなは首を振る。


---


「ありがとう」


---


「生きてくれて」


---


「幸せになってね」


---


そして。


---


最後に。


---


修司たち全員を見る。


---


「この場所を守ってくれてありがとう」


---


光になる。


---


空へ溶けていく。


---


るなが泣き崩れる。


---


でも。


---


悲しい涙じゃなかった。


---


未来は救われた。


---


確かに。


---


その瞬間。


---


願いの部屋の壁に。


---


最後の文字が現れる。


---


【任務完了】


---


【春風マンション存続】


---


全員。


---


「……」


---


そして。


---


ひまりが言った。


---


「終わった?」


---


かなめ。


---


「終わったみたいです」


---


怜司。


---


「まあ何とかなっただろ」


---


修司。


---


「何とかなったな」


---


結衣が笑う。


---


「大丈夫でしたね」


---


その瞬間。


---


全員。


---


大笑いした。


---


泣きながら。


---


笑いながら。


---


春風マンションらしく。


---


騒がしく。


---


温かく。


---


未来を取り戻した。


---


### 第二部 完結


そして物語は――


恋愛と日常が待つ、


**第三部『春風マンションの日々』へ続く。**


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ