# 第二部 第十一話 残り七日 残り七日。
# 第二部 第十一話 残り七日
残り七日。
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結衣の運命まで。
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あと七日。
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管理人室。
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空気は重かった。
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誰も冗談を言わない。
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ひまりですら静かだった。
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結衣が申し訳なさそうに言う。
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「ごめんなさい……」
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その瞬間。
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修司が立ち上がる。
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「謝るな」
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結衣が顔を上げる。
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修司は真っ直ぐ言った。
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「住人だろ」
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「放っとけないだろ」
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静寂。
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結衣の目が少し潤む。
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かなめも頷く。
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「その通りです」
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「それ絶対おかしいです」
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「結衣さんが狙われる未来なんて」
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ひまりも拳を握る。
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「面白そう!……じゃなかった」
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「絶対助ける!」
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珍しく真面目だった。
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怜司も立ち上がる。
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「まあ何とかなるだろ」
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「全員いるんだからな」
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結衣は笑った。
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少しだけ。
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本当に少しだけ。
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安心した顔だった。
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その夜。
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結衣防衛会議。
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春風マンション総出。
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加賀谷。
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「ほう」
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「面白くなってきたな」
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神崎が笑う。
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「人生そんなもんだ」
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「問題は解決するためにある」
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るなが震えながら言う。
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「……怖いです」
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「でも」
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「逃げたくないです」
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ルナが隣で笑う。
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「知ってるよ」
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「未来では逃げなかった」
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るなも小さく笑った。
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その時。
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蓮が地図を広げる。
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「それ本当にそうかな?」
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全員を見る。
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「相手は結衣さんを狙ってる」
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「つまり」
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「春風マンションの中を知ってる可能性が高い」
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静寂。
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かなめが顔を上げる。
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「内部事情を知ってる?」
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蓮は頷く。
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「そう」
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「見えてるものが全部じゃない」
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空気が変わる。
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つまり。
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敵は近くにいる。
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その可能性。
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誰も考えたくなかった。
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その時だった。
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コンコン。
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管理人室の扉。
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夜中の十二時。
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全員固まる。
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修司が開ける。
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そこには。
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誰もいなかった。
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だが。
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床に一枚の紙。
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赤い文字。
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【残り六日】
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全員。
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「早い!!」
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昨日七日だった。
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一日経過しただけなのに。
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プレッシャーが凄い。
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しかし。
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裏返した瞬間。
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全員の顔色が変わる。
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そこには。
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一枚の写真。
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結衣だった。
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今日撮られた写真。
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スーパーから帰る姿。
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笑っている姿。
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完全に盗撮。
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静寂。
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結衣の手が震える。
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「……気持ち悪い」
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かなめが怒る。
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「それ絶対おかしいです!!」
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ひまりも怒っていた。
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「許さない」
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修司の表情も消える。
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笑顔がない。
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本気で怒っていた。
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その時。
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写真の裏に。
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新しい文字が浮かび上がる。
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【次は屋上】
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全員凍る。
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屋上。
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十年後の火事。
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未来の写真。
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全部。
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屋上が関係していた。
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ルナが青ざめる。
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「まずい」
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「知ってるよ」
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「この流れ」
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全員が見る。
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ルナは震える声で言った。
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「未来では」
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「ここから全部始まった」
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夜風が吹く。
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春風マンション。
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再び大きな運命の分岐点が近づいていた。
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## 次回
### 第十二話
**「屋上の約束」**
結衣を狙う謎の男。
未来へ繋がる屋上。
そして――
修司と結衣が二人きりになった夜。
結衣がずっと隠していた本音を打ち明ける。
「修司さんに、言わなきゃいけないことがあるんです」――。




