# 第二部 第十話 結衣を守れ
# 第二部 第十話 結衣を守れ
翌朝。
管理人室。
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全員集合。
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理由。
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ノートだった。
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未来の部屋のノート。
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昨夜。
新しい文字が浮かんだ。
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【第二の条件達成】
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【次は結衣を守れ】
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たったそれだけ。
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だが。
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重すぎた。
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結衣本人が一番困っていた。
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「私ですか?」
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かなめも首を傾げる。
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「なぜ結衣さん?」
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ひまり。
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「結衣、何か隠してる?」
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結衣。
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「ないです!」
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即答。
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だが。
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ルナだけは黙っていた。
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「……」
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俺は気づく。
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「知ってるのか?」
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ルナは答えない。
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しばらく沈黙。
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そして。
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小さく頷いた。
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「未来では」
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「結衣さんが最初だった」
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空気が凍る。
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最初。
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その意味は。
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誰でもわかった。
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「……いなくなる?」
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かなめの声が震える。
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ルナは目を閉じた。
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「うん」
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静寂。
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結衣本人も固まっていた。
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「私が……?」
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信じられない顔。
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その時。
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ガタン。
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椅子を引く音。
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立ち上がったのは。
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俺だった。
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「なら守る」
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全員を見る。
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「未来なんて関係ない」
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「結衣は守る」
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結衣が驚いた顔をする。
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かなめも笑う。
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「それでこそ管理人です」
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ひまり。
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「かっこつけた」
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「うるさい」
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少しだけ空気が軽くなる。
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だが。
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その日の夕方。
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事件は起きた。
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結衣が買い物へ出た帰りだった。
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春風マンションまであと少し。
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住宅街。
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誰もいない道。
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その時。
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後ろから声。
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「やっと見つけた」
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結衣が振り向く。
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知らない男だった。
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黒い帽子。
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黒いマスク。
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顔は見えない。
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だが。
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男は結衣を見て笑った。
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「未来より早かったな」
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結衣の背筋が凍る。
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意味がわからない。
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なのに。
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怖かった。
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男はポケットから何かを取り出す。
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写真。
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そこに写っていたのは。
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十年後の春風マンション。
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燃えている建物。
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そして。
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その前で泣いている結衣。
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「え……」
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結衣の顔から血の気が引く。
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男は笑う。
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「運命は変わらない」
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その瞬間。
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ドン!!
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誰かが男に体当たりした。
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「結衣さん!!」
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かなめだった。
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息を切らしている。
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その後ろから。
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ひまり。
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怜司。
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俺。
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全員走ってきた。
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男は舌打ちする。
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「ちっ」
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そして。
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走り去った。
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追いかけようとした。
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だが。
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ルナが叫ぶ。
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「追わないで!!」
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全員止まる。
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ルナの顔は真っ青だった。
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「今はダメ」
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「絶対ダメ」
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震えている。
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過去最大レベルだった。
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そして。
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男が落としていった写真。
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裏返す。
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そこには。
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赤い文字。
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【第三の条件開始】
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静寂。
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さらに。
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下に名前。
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【対象】
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【朝倉結衣】
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そして。
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最後の一文。
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【残り七日】
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誰も言葉を失った。
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結衣の運命まで。
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あと七日だった。
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## 次回
### 第十一話
**「残り七日」**
結衣に迫る未来。
謎の男の正体。
そして――
春風マンション全員総出で始まる、
結衣防衛作戦。
だがその裏で。
**るなが誰にも言えない秘密を抱えていた。**




