# 第二部 第八話 犯人は住人の中にいる?
# 第二部 第八話 犯人は住人の中にいる?
未来の部屋。
全員がノートを見つめていた。
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【火事を起こす人間を見つけろ】
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その下。
文字がゆっくり浮かび上がる。
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かなめが震える。
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「やめて……」
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ひまりも青ざめる。
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「絶対嫌なやつじゃん」
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俺もそう思う。
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そして。
最後の文字が現れた。
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【火元責任者】
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【管理人 修司】
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静寂。
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「は?」
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俺だった。
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ひまり。
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「はぁぁぁぁ!?」
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怜司。
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「修司さん!?」
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結衣。
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「そんなわけありません!」
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かなめも即座に首を振る。
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「絶対違います!」
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全員否定。
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だが。
ノートは容赦しない。
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【未来の事実】
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【修司が火災原因となる】
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空気が重くなる。
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俺自身が一番混乱していた。
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「意味がわからん」
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火事なんて起こすはずがない。
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だが。
ルナだけは真剣だった。
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「たぶん」
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「修司さんが悪いんじゃない」
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全員が見る。
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ルナは続ける。
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「未来でもそうだった」
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「修司さんは誰かを助けようとしてた」
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静寂。
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「でも結果的に火事になった」
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つまり。
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事故。
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あるいは罠。
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その時。
ノートがまた動く。
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パラッ。
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新しいページ。
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そこには。
一枚の写真。
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十年後の春風マンション。
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燃えていた。
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夜だった。
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消防車。
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煙。
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叫び声。
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そして。
写真の端。
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そこに写っていた人物を見て。
ルナの顔色が変わる。
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「……嘘」
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「どうした?」
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ルナは震えていた。
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写真を指差す。
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「この人」
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全員が見る。
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燃えるマンションの前。
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黒いコートを着た男。
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顔はよく見えない。
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だが。
首元に。
見覚えのあるキーホルダー。
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タマだった。
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猫のキーホルダー。
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春風マンション限定。
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全員凍る。
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つまり。
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住人。
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未来の火事の現場にいた。
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その時。
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玄関のチャイムが鳴った。
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ピンポーン。
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全員ビクッとする。
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タイミングが悪すぎる。
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俺が玄関へ向かう。
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ドアを開ける。
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そこにいたのは。
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スーツ姿の青年だった。
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二十代後半。
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爽やかな笑顔。
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礼儀正しい。
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「入居募集を見て来ました」
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普通だった。
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久しぶりに普通だった。
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だが。
その瞬間。
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ルナが後ろで青ざめた。
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「……嘘」
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声が震える。
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俺が振り向く。
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ルナは。
見たことがないほど怯えていた。
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「その人」
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青年を見る。
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「知ってるのか?」
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ルナはゆっくり頷く。
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そして。
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かすれた声で言った。
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「未来で」
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「最後まで行方不明だった人」
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静寂。
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青年は何も知らず笑う。
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「どうかしました?」
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春風マンション。
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またしても。
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とんでもない人物を迎え入れようとしていた。
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## 次回
### 第九話
**「未来で消えた男」**
新住人・相沢蓮。
礼儀正しく優秀な青年。
しかし未来では――
誰にも見つからないまま消えていた。
そしてルナが告げる。
**「火事の日、最後に笑っていたのはあの人です」**。




