# 第二部 第三話 るなの秘密 【見つけてくれてありがとう】
# 第二部 第三話 るなの秘密
【見つけてくれてありがとう】
赤い文字。
ノートの最初のページ。
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静寂。
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全員固まった。
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ひまり。
「閉じろ閉じろ閉じろぉぉぉ!!」
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るな。
「だから言ったのにぃ!!」
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かなめが恐る恐る聞く。
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「……これ誰が書いたの?」
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るなは顔を伏せた。
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「わかりません」
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全員。
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「は?」
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「いやいや!」
怜司が突っ込む。
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「お前のノートだろ!?」
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るなは泣きそうだった。
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「最初は白紙だったんです」
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「え?」
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「なのに」
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「気づくと文字が増えてるんです」
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沈黙。
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春風マンション一同。
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久々にホラー案件だった。
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その時。
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パラ……
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勝手にページがめくれた。
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全員。
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「うわぁぁぁ!!」
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かなめが俺の後ろへ隠れる。
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結衣まで少し青ざめている。
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ページの中央。
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赤い文字。
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【るなは嘘をついています】
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静寂。
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るな。
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「え……」
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顔が真っ白になる。
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ひまり。
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「え?」
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怜司。
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「え?」
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俺。
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「え?」
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るなが震える。
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「ち、違う……」
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すると。
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さらに文字が増える。
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まるで誰かが今書いているみたいに。
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【るなは覚えていません】
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【だから可哀想です】
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【でも悪い子です】
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るなが座り込んだ。
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「やめて……」
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小さな声。
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その時だった。
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ドン!!
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管理人室の電気が消えた。
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「きゃあっ!」
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かなめ悲鳴。
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真っ暗。
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そして。
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どこかで笑い声が聞こえた。
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クスクス。
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小さな女の子の声。
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『見つけた』
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全員凍る。
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るなだけが。
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絶望した顔をしていた。
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「……来た」
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「来た?」
俺が聞く。
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るなは震える声で言う。
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「もう一人の私です」
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静寂。
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ひまり。
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「待って」
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「情報が怖い」
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完全同意だった。
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数分後。
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電気が戻る。
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ノートは閉じていた。
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だが。
最後のページだけが開いている。
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そこには。
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【春風マンションのみんなへ】
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【これからよろしくね】
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【私は月野るなじゃない】
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【月野ルナだ】
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そして。
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最後に。
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【まず最初に】
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【管理人を困らせます】
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俺。
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「宣言された」
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ひまり爆笑。
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かなめ頭抱える。
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結衣苦笑い。
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怜司。
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「終わったな」
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そしてその夜。
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管理人室の電話が鳴る。
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プルルルル。
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出る。
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「はい、春風マンションです」
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すると。
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知らない少女の声。
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『もしもし』
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『ルナです』
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俺は固まる。
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「るなちゃんなら今――」
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『違うよ』
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静かな声。
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『もう一人の方』
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背筋が凍った。
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『今から会いに行くね』
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ブツッ。
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電話が切れる。
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窓の外を見る。
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マンションの入口。
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街灯の下。
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そこに。
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るなそっくりの少女が立っていた。
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ニコニコ笑いながら。
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こちらを見上げていた。
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## 次回
### 第四話
**「もう一人のルナ」**
るなと同じ顔。
るなと同じ声。
だが全く違う存在。
そして――
春風マンション史上、
最も予測不能な住人(?)が誕生する。




