# 第二部 第二話 絶対に開けるな 【絶対に開けないこと】
# 第二部 第二話 絶対に開けるな
【絶対に開けないこと】
そう書かれたノート。
床に落ちている。
そして。
それを囲む春風マンション住人たち。
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「…………」
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ひまり。
「開こう」
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「開けるな!!」
俺は即座に止めた。
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かなめも頷く。
「完全に罠です」
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怜司。
「でも気になる」
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結衣。
「気になりますね……」
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全員気になっていた。
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るなだけが青ざめる。
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「あっ!」
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慌ててノートを拾う。
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ぎゅっと抱きしめる。
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「だ、だめです!」
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「絶対だめです!」
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必死だった。
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ひまりが聞く。
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「なんで?」
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るな。
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「……その」
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「……恥ずかしいから」
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全員。
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「嘘だな」
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即バレだった。
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るなの顔が引きつる。
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「な、なんでですか!」
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かなめ。
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「本当に恥ずかしいだけならそんな顔しません」
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るな。
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「ぐっ……」
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弱い。
春風マンションでは生き残れないタイプだった。
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その夜。
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管理人室。
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「絶対何かある」
ひまりが言う。
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「あるな」
怜司も頷く。
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かなめ。
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「百%あります」
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結衣。
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「ありますね」
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全員一致だった。
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その時。
コンコン。
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扉を叩く音。
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開ける。
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るなだった。
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なぜかパジャマ姿。
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そして。
泣きそうな顔。
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「た、助けてください」
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「どうした!?」
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るなは震える声で言った。
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「ノートが……」
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「うん」
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「なくなりました」
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全員。
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「は?」
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静寂。
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るなは本気で青ざめている。
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「部屋に置いたんです」
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「でも」
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「気づいたら消えてて……」
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春風マンション住人たち。
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ゆっくり顔を見合わせる。
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かなめ。
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「始まった」
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ひまり。
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「始まったね」
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怜司。
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「絶対面倒なやつだ」
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俺もそう思った。
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その時。
廊下から声がした。
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「おーい」
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加賀谷だった。
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「どうしたんです?」
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加賀谷は一冊のノートを持っていた。
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全員固まる。
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それだった。
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【絶対に開けないこと】
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るなが悲鳴を上げる。
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「それです!!」
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加賀谷は首を傾げた。
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「階段に落ちてたぞ」
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全員。
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「…………」
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るな。
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「私、部屋から出してません」
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静寂。
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風が吹く。
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そして。
ノートが。
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パラ……
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勝手に開いた。
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全員凍る。
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最初のページ。
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そこには。
赤い文字で。
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【見つけてくれてありがとう】
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と書かれていた。
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ひまり。
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「閉じろぉぉぉぉ!!」
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第二部最初の事件は、
るなの秘密のノートから始まるのだった。
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## 次回
### 第三話
**「るなの秘密」**
ノートに現れる謎の文章。
誰も知らない"もう一人のるな"。
そして――
春風マンション史上最強レベルのトラブルメーカーが目を覚ます。




