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2話

 騎士団での序列は、異能力(スキル)の強弱で決まった。戦局を大きく変えるほどの、異能(スキル)を持っていれば、それだけ出世できるし、その逆もまたしかりだ。


 ガクは剣を振るうのをやめ、大きく息を吐く。剣技は苦手ではない。俊敏(しゅんびん)に動き、敵の急所を突(つ)くのも得意だ。しかし、それだけではダメなのだ。スキルがないと―


 ガクは、剣を鞘(さや)にしまい、水浴びに行く。


 草木の声が聴(きこ)こえる。


 ―日光が欲しい、捕食者(ほしょくしゃ)が迫っている、水が足りない、湿気が……


 ガクの異能力(スキル)は、〈植物操作〉だ。植物のフェロモン(VOC)を知覚(ちかく)し、その内容を正確に読み解き、疑似的に植物と知覚(ちかく)を共有する。知覚を共有できれば、ある程度動かすこともできる。


 才能があれば、大樹の幹を動かし、鞭(むち)のように振(ふ)るったり、森の中にいる敵を遠距離から見つけることができる強力な異能力だ。しかし―


 ガクにできるのは自分と同じくらいの大きさの草木の知覚を感じ取り、操ることだけだ。知覚は正確に行えるが、操るのが苦手だった。それこそ生物のように動かすことは夢のまた夢だ。


 ―僕は、いらないんだ


 ガクの涙(なみだ)が川に吸い込まれていく。身体を拭き、服を着ていると、森の奥から音がした。とっさに剣を持つと、森に一人の騎士がいた。


「たす……けてくれ」


 そう言い、騎士は倒れた。


 ガクは剣をしまい、近づく。


 血塗れになった騎士が倒れている。着ている鎧は高価そうに見えた。


 ―傭兵か?


 ガクは騎士を背負い、小屋へ向かう。

 読んで頂きありがとうございます。


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