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第十一話 真実


やばいド忘れしてた…次回二部出すつもりで書きます…

 

「私はかつて、魔族ではなく人間でした。予期せぬ事故で命を落とし、気が付けばこのような体になっていました。原因はよくわかっていません」

「ふむ…死んだ体が変質したということか?」

「はい。さらに言えば、私が目覚めたのはここから更に遠い、名もない森です。賢者様とも、そこで出会いました」

「生前はどんな出自だったのかは覚えているか?」

「以前も平民でした。貴族相手の礼儀作法などは、賢者様に教わったので…」


 本当のこと話すとか言っておきながら三分の一くらい嘘ってどうかと思うよね。

 まぁ確実に辻褄が合わなくなるからそうしてるんだけど。


 面倒だから省くけど、自分が転生者だとか神に会ったことに関しては伏せて話しておいた。

 宗教とかもあるけど、色々と面倒なことになりそうだからな。

 …いずれバレそうな気がしないでもないけど。



 *   *   *



 俺の(ある程度隠した)身の上を話した後、条約の件はそのまま執り行うことになった。

 民衆から反感を買うだろうが、王様もそれは覚悟の上だと言っていた。

 ある意味、国民の嫌われ者として同類になるということだ。

 …すげえ嫌だなそんな仲間。


 まぁ準備とかもあるし、それをやるのはしばらく後だ。

 そして俺達は一旦待機室へと集まり、これからの事を話していた。


「アルミナさんはどうするんですか?」

「私はもう一回魔王城に向かうよ。あっちの魔族達と顔合わせっていうか見知ってもらって、私の意向を話しておく必要があるから」

「なるほどな。ユウ殿はどうするんだ?」

「俺は…冒険者にでもなってみようかな」


 冒険者と言えば異世界モノの名物というか、嗜む人間なら誰もが憧れるだろう職業だ。


「あっ、待って。そういやユウの印象って今マズイことになってるんじゃ…?」

「「「あっ…」」」


 そう、世間では悠は『暴行』と『強姦』を犯した犯罪者である。

 そんな人間をまともに取り合ってくれる場所などあるのだろうか…


「ま、まだ顔は公表してないから大丈夫…だよ、多分…」

「そ、そうだよね…は、はははは」


 これから悠は勇者であることを隠さなければいけなくなった訳だ。

 嫌われる役目を背負うのがまた一人増えたぞ。

 喜ぶべきことじゃないんだがな。


 それから皆と別れた俺は、ひとまず魔王城へと向かうことにした。


 あの時と同じく、転移で向かう。

 本来ならきちんと座標を覚えていないといけないのだが、カルナの転移に使われた魔法陣に入力された座標を使って転移した。

 ぶっつけだったが、案外上手くいくものだ。これも素質のおかげか。


 前と同じように魔法で姿を隠し、侵入してきた窓から中を伺う。

 すると、なんと魔王の玉座に誰か座っているではないか。

 前のやつとは違って獣っぽい感じだが。


 一度出直すか。魔族の魔王即位がどうなっているのかよく分かってないからな。

 この国に図書館でもあればいいんだが。

 ていうか国あるんだろうか?



 *   *   *



 国、あったわ。

 国っていうより城下町だが、その規模がデカい。

 普通に小国位のサイズだ。


 ただ、人間の国とは違いガッチリした塀で覆われていることもなく、建物自体も簡素だ。

 しかしそれでも活気に溢れ、外にいても人々の喧騒が聞こえてくる。

 衛兵のような見張りも居ないため、楽に入ることが出来た。


 案外文化も発達していて、教育機関や公園、もちろん図書館も存在し、人間の生活とほとんど変わりがない暮らしをしているようだった。


 しかし、魔族自体食事を楽しむ事がほとんどないからか食べ物は売っていなかった。

 残念だ。元日本人として、食べれそうなものならぜひ食べてみたいと思っていたのだが。


 さて、先程も言ったがまずは図書館だ。

 現状、人間社会の一般常識はあるのだが、魔族に関する情報が圧倒的に少ない。

 元々人間だったこともあるのか、他種族の一般常識は入っていないのだ。


 街で得た情報と言えば、ある程度の生活基準と、通貨が存在せず物々交換で商売をしているというくらいである。

 傍目で見ている限り、アクセサリーの様な形に残る物が基本のようだ。


 …というか俺そもそも物々交換できるもの持ってないじゃん。

 今手元にあるのは、カルナに貰った杖と服。それと魔王討伐の報酬金。

 やり方がやり方だったため、大々的にやる訳にもいかず報酬に関しては王様の執務室でひっそりと支払われた。


 なので今は無駄に金だけがあり、その他の道具は何も持っていない。

 ちゃんと考えて準備してくればよかった。なんで今気づくんだ。早とちり乙。


 …てか、王都で探せばいいじゃん。

 この街に入るのに必要な知識が王都にもあるはずだ。

 変にリスクを負うよりよっぽどマシじゃないか。


 全く、自分の迂闊さが嫌になるぜ…出直そ。


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