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シアルーは、レンの様子をラザー王国にまで、見にきたりもした。
半裸にされ、ラザー国王に組み敷かれていくレンを見て、シアルーは笑う。
「あら、貴方その美貌で王さえも惑わすのね」
シアルー。
シアルー。
どうして、助けてくれないんだ。
こんなの苦しくて痛くて辛いのに。
ねぇ、シアルー!
ビシリと、レンのその白い肌に鞭を打たれる姿を見ながら、シアルーは若い貴族のハーレムを作って、レンが堕ちていく様を見守る。
「レン、かわいい私のレン。私のものだという証の焼印をあげよう」
ラザー国王の言葉に、レンは震えた。もうどうにもならないところまで、堕ちているのに、まだ僕を、弄ぶというのか。
「シアルー!助けて!」
手を伸ばした。
「はぁい」
シアルーは笑って、僕の手をとった。
そして、シアルーは、微笑んで、僕の空いていた手を踏みつけた。
シアルーは、グラスに注がれた高級そうなワインを、僕の頭に被せて。
ジュウウウウ。
肉が焼ける音。匂い。
あああああああああ!
「うわああああああああ!!!」
焼印が、背中に押されていく。肉を焦がして、醜い烙印を僕の肌に刻んでいく。
僕が、壊れていく。
粉々に。
でもね、シアルー。
まだ君を信じて、愛しているんだ、僕は。
さぞ滑稽だろう。
君が、いつか僕を迎えに、愛していると囁いて、助けにきてくれるのを、僕はずっとずっと、きっと待っている。
シアルー。
「シアルー」
僕は、その美しい顔を、転がった頭部を手にもって、ゆらりと歩きだす。
全てを見ていた、ラザー国王を、光の刃でずたずたにして、この身に溢れる全ての憎しみを、僕はラザー王国に向けた。
一瞬で、王族や貴族ども、僕を弄んでいた人間が灰になるのが分かった。
そして、僕はその民にすらも憎しみをぶつけて。
ラザー王国は、たった3日でこの世界から消え去った。
人々は、苦しみながら原因不明の病にかかり、老人子供、男も女も関係なしに、ラザー王国の領土にいた人間全てが死んだ。
「おぎゃああ、おぎゃあああ」
泣き続ける赤子に、乳母らしき女が乳を与えている。
恐怖に震えながら。
僕にいつ殺されるかと、涙をためながら。
僕は。
その乳母を殺さなかった。
そして、サイカ王国の民も、王族も。
シアルー以外、誰も殺さなかった。
だって、愛していたから。
10年以上もサイカ王国で過ごした。人々の慈しみと優しさを受けて。
僕の中に、かろうじで残っていた、人を労る心。
それが、サイカ王国の人たちを救ったのだ。
「おぎゃああああ」
「うるさいね」
僕は、何かあるごとに泣く自分の息子の頬をはたいて、そして僕も泣いた。
「どうして―――生まれてきたいんだい、君は。どうして―――」
「おぎゃあああ」




