いわゆるお見合い写真
写真スタジオに行ったことがあるだろうか。
七五三だったりなんかの記念日に撮影する……くらいしか私にはイメージがなかった。ぶっちゃけスタジオ使う場面って他に何があるの?というくらい馴染みがない。
けれど昨今の婚カツ人口が増えたことにより割と繁盛しているらしい。私も何回か聞いただけだが、「最近はほとんど婚カツ用で来られますよ」とイケメンの美容師さんが笑っていた。結婚相談所や婚カツサイトと提携しているので、「セオリー」は押さえてくれるしメイクから撮影⇒サイトにアップロードまで全部してくれるのである。勿論、当然ながらプロのお仕事だから結構良いお値段がする。ちなみにその時に私は、隣にいた多分50代過ぎの白髪の男性に「あなたも婚カツなんですか?」と聞いたところ、そのダンディは肩を竦めて「長くバツイチでね。親を安心させたくて、再婚相手を探すことにしたのさ」と苦笑いをしていた。
勿論、写真はスタジオで撮影をしなくても良い。別に携帯で自撮りして掲載する人も中にはいる。けれど特別に自身がない限りはスタジオを使った方が良い、彼らは魅せるプロである。でも魅せようとするあまりに、こっちからある程度希望を伝えないとキメッキメにしたり写真を加工しまくるので注意が必要だ。私は普段からメガネなのだが「では眼鏡取りますねー」とか言い出したので慌てて止めた覚えがある。まだ男性は良い……女性の場合は結果として紹介文に「※普段は眼鏡です※現在は髪が短いです」とか※が増えすぎると写真加工もあわせてもはや別人になりすぎる。写真を少しでも良く見せようとするのは当然だが、乖離が激しくなるとさすがに本末転倒だとは思う。メイン写真はスタジオの写真、サブのPR写真では大体旅行の時の写真が多いが、並べて別人すぎるパターンが結構多いすぎるのだ。
またどこで撮影したのか、失礼かもしれないが「昭和時代に撮影したような写真」や「指名手配犯」みたいなお見合い写真も見たことがある。さすがにこれは誰か指摘してあげて欲しいと思ったものだ。
ちなみに自撮りでも好意的に映るのは「愛嬌のある人」だ。澄ました婚カツ写真より、普段の表情の方が綺麗な場合はむしろ映えるのだが、中々にそれは少数派といえる。大体はキメッキメの写真に見劣りしてしまうのが現実だ。
まあとりあえず婚カツの写真選びやPR写真は結局のところ自分が決めることである。
私も長く婚カツが続いてしまっているので色んな人を見たが、思わず二度見してしまった例を二つ話したい。
一人目は少しぽっちゃりした女性で、PR文には「とても物静かで穏やかで、仕事は事務をされておられます」という感じのことが書いてあった記憶がある。お見合い用写真もその説明にそぐわぬものであった。しかし、PR用の写真が、私には意図がわからなかった。何故か「丸太のようなものを担いでニコッ」とした写真だったのである。作業現場かと思った。PR文の内容と1mmも掠っていない。これが力自慢だとかそういうのであれば、わからなくもない。いや、その丸太みたいなのは何なのかと。なんでそんなシーンそもそも撮影したのか……隠された意図があるのかと気になって気になって仕方がなかった。
二人目はPR文とはマッチはしていた。マッチはしているが、もう少し写真を考えて欲しかった。その方は料理が趣味で、お酒も大好きだから家でよく友人たちを招いて飲み会をしているそうだ。自慢の料理を振舞い将来のパートナーに美味しいモノを食べさせてあげたいと書かれていた気がする。それはいい。しかし……それなら綺麗な料理の写真にすべきであったのである。彼女は年季の入りすぎたキッチンで、酒屋?の前掛けエプロンのようなものをつけてニカッと笑っている写真だったのだ。あまりにもオカン過ぎる。いや、それが良いっていう人も勿論いると思うが、もう少し、キッチンの壁を綺麗にして撮影すれば……と悔やまれる。「チャンピオンになったそのボクサーを育てたのは、貧しい家庭ながらもいつも愛情籠った料理で応援した母親であった……」というナレーションが流れるくらい、キッチンと服装に年季が入りすぎていた。
ちなみにそこまで書いた私本人はというと、「写真と現物が違う」と最近必ず言われる。
いや、写真を差し替えろよという感じなのだが、撮影した当時と今で体重は5キロ以上違うし、顔の輪郭も大分に変わってしまっている。筋トレとダイエットの良い成果なのだが、「すみません、写真と違うからわかりませんでした……」と待ち合わせで毎回迷惑をかけている。が、スタジオで撮りなおすには値段が高いのだ……あと知り合いが撮影してあげようかと言ってくれているのだが、知り合いに婚カツ写真を撮影されるのは気恥ずかしい……。
こういう無駄な時間が、きっと婚カツが早く終わらない要因の一つなのではないかと最近思うようになっている。




