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オメガ建国記  作者: 九十九(つくも)
第一章 学院学生編
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第12話 【昇級】

 前回の迷宮探索で分かった事を踏まえて、次に作成した加護は【転移】である。

 1週間のブランク期間を過ぎたタイミングで作成し全員に付与した。

 そして、やはり早めのランクアップが必須であると考えた。


 そのために2度目の探索までの間に全員の適正別の基本能力値を200程度まで向上させた。

 これで能力値だけではCランク相当になったはずである。

 


 「迷宮に向かう前にランクアップ試験を受験しようと思うけどどうだろう?」


 私は全員に尋ねたところ、みんなが同様の考えであった。

 ランクアップ試験とは、ギルド職員が試験官を行い、対戦方式でランクアップに必要な実力を有しているかを判定するのだそうだ。



 ギルドに到着し、前回の探索時に受付をしてくれた女性に


 「ランクアップ試験を受けたいんですが」

 「え?もうですか?先週冒険者登録したばかりですよね?大丈夫ですか?」


 驚かれたが、想定内である。


 「おいおいヒヨッコ!試験官は甘くないぞ!ワハハハ…」

 外野がうるさい。



 ギルド裏の稽古場のような場所が試験会場らしく、そこに移動して順番を決めておくように指示された。

 いきなりハードルを上げるわけにはいかないので、ミュー、ラムダ、カイ、エマ、私の順番で受験することとした。

 彼女達にはとにかく最初から全力で向かい、技の出し惜しみだけはしないように、と忠告しておいた。



 試験官との対戦は他の者は見る事ができなかったが、先に受験したミュー達に聞くところによると、本日は試験官が不在のためギルドマスターが担当したらしい。

 ギルドマスターはAランク相当らしく4人共に最後は1本取られたものの、かなりの衝撃を与える事ができたようだった。

 そして私の番だ。



 「よーニイちゃんが最後で、このパーティーのリーダーか。…たく化け物級の新人達だなぁ…」


 どれだけ暴れたのだろうか、あの4人は…

 とはいえ、私にとっても格上の相手。最初から飛ばしていく!


 「いつでもいいぜ、ニイちゃん」

 「ニイちゃんではなく、アルファです…」


 全速力でギルドマスターの懐に飛び込み、片手剣で腹をぶった斬る!

 と、思ったが剣で防がれた、想定内、そこから足元に回し蹴り。

 入ったと思ったのだがビクともしない、打撃力不足だ。


 そこから一気に距離をとり、今度は火属性中級のファイヤーボールをお見舞いし、防がれた瞬間に後方に回ると同時に光属性の身体強化で飛び蹴りをお見舞いする。


 ギルドマスターは後方からの一撃は分かっていたものの、最初の回し蹴り以上の威力に吹っ飛んだ。

 倒れることはなかったが、振り向きながら


 「おいおい、とんでもねぇな。アルファか、お前化け物か?」

 「まだまだこれからです!」


 「いや、ここまでだ。十分すぎる。Cランク…いや、もしかしたらBランクにも手が届くレベルだよ。はぁ、とんでもないパーティーが出てきやがった。全員合格だよ、合格!」


 見事に昇級試験クリアである。



 「ギルドマスター、お願いがあるのですが」

 「なんだ?言ってみろ」


 「実は僕らのパーティーは皆事情を抱えています。それで僕らはあまり目立ちたくないのですが…」

 「そんなことか、心配する事はない。この試験の内容などが公になる事などはない。もちろん学院側にもな」


 ギルドマスターは察してくれたのかニヤリと笑った。



 ギルド内の受付前で全員で待っていると


 「オメガの皆様〜」


 呼ばれた。


 「おめでとうございます。全員合格Dランクとなります。併せてパーティーランクもDランクとなります。今後半年は昇級試験は受験できませんのでご注意下さい」


 と説明を受けた。

 


 パーティーランクがDランクになった事で、迷宮探索も20階層まで到達可能となった。

 私達はすぐさま準備を整えて迷宮に向かうこととしたのだが、ここで【転移】を使用してみたところ、迷宮10階層に移動する事ができたのだ。

 これは大きな一歩である。かなりの時間短縮につながる。



 そこからは初日は15階層を目指しながら魔物討伐を行い、2日目は20階層を目指した。

 やはり能力的にはCランク相当であることから、かなり余裕ある戦闘経験となり、パーティーメンバーの相性も良いのか、とてもスムーズに戦えている気がする。



 「みんな、迷宮では気にしないでいいけど、学院内では気をつけてくれよ…」


 私の注意を聞いているのか、みんな楽しんでいる。


 「カイ、【探索】の加護を作成するにあたって、どんな効果がいるかな?」

 「そうですね、迷宮のマッピングと、周囲の魔物や敵意ある者の探索ができれば、今よりもっと効率よく討伐できますし、奇襲などにも対応できるかと思います」


 よし、戻ってブランク期間が終わったら次の加護は【探索】だな。



 私達は20階層までを楽々制覇し3日間の迷宮探索を終えギルドに帰還した。

 素材回収の窓口では、こちらも前回同様に


 「はぁ?3日間でこの量ですか??」


 案の定驚かれたが、気になるのは金額だ。


 「お待たせしました、合計43万ギルになります」


 上出来である。



 とりあえずこの休暇期間中に150万ギルまでパーティーで貯めよう。

 その後は次の昇級試験まで鍛錬だ。



挿絵(By みてみん)

 

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