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オメガ建国記  作者: 九十九(つくも)
第一章 学院学生編
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第11話 【出陣】

 登録も無事終わり、いよいよ魔物討伐への出発であるが、依頼達成でお金を稼ぐのか悩んだ。

 しかし、当面は実戦を経験したいので魔物討伐で実力を磨きながらお金を稼ぐことにすることとした。



 私達はとりあえず昼間は魔物の活動が落ち着くため、迷宮へと向かった。

 イスニアから1番近い「イスニア迷宮」へと到着したのは昼過ぎであった。


 「これじゃあ移動だけで1日使ってしまうなぁ。学院が始まったら休暇だけの活動だと時間的に厳しそうだなぁ…」


 私がつぶやいていると


 「アルファ様、闇属性の最上級魔術に【転移】というものがあるそうです。それを習得すれば転移魔法で時間短縮にはなるかと思います。ただ、一度行った事のある場所しか行けないらしいですが」


 良い事を聞いた、早速今後加護で作成しよう。



 迷宮は1階層といえど広大であり、マッピング能力が必須だと感じた。

 これもやはり加護で作成が必要と思われる。


 1階層の魔物は私達の相手にならない程度ではあったが、パーティーとしての連携や、習得した技や魔術を色々と試し、実り多い探索となった。


 学院は休暇期間のため、皆でそのまま迷宮内で一夜を過ごすことにした。

 5階層ごとに設置されている冒険者用の宿場施設は結界で囲われており、【結界】の重要性も認識した。

 やはり実際に現場に出ないとわからない事ばかりである。



 宿場では部屋数が限られており、1パーティーにつき1部屋の制限があったため…私は美女4人と同じ部屋で一夜を過ごすことになった…ムフフ



 「ちょっとアルファ!こっち見ないでよ!」

 ラムダが叫ぶ。


 「私は別にアルファさんなら見られても…」

 ミューが恥ずかしそうに呟く。


 「私もアルファ君なら…」

 エマが乗っかる。


 「私の身と心は全てアルファ様の物です」

 カイがいきなり裸になる。


 「ちょっと!アンタ達、私だって本当は…」

 ラムダがまた叫ぶ…


 楽しみな夜になりそうだ…ムフフ


 全員で夕食をとった後、今日の反省と今後について話し合った。


 「まず、前衛は私とエマ。中衛にアルファ様、後衛にラムダとミュー、この陣営が一番良かったかと思います。あとは前衛同士の攻撃パターンの確立と魔法発動のタイミングなどの呼吸が合えばスムーズにいくかと思います」


 うむ、素晴らしい分析だ、カイ。



 「連携時にお互いの声かけだと、相手が人だった場合攻撃パターンがバレてしまうから、アイコンタクトみたいなのがあればいいかもですね」

 ミューが言った。


 「そう言えば、何かの文献で古代魔術に【念話】という、お互いの心の中で会話ができるというものを見た事があったな」

 私は図書館で見たある文献について話した。


 「それは採用ですね!」

 カイが興奮気味に言った。



 今日だけで必要な加護は【転移】【探索】【結界】【念話】となった。

 大きな一歩である。


 早速ではあるが、優先すべきは…【念話】という事で、加護を作成し全員に付与した。

 付与時の副作用で4人の美女との楽しみな夜は何事もなく…明けていったのである…残念…



 迷宮内なので夜が明けたかどうかは分からないが、他の冒険者達の動きなどで私達も2日目の活動を開始することにした。

 副作用も全員が多少の苦しみ(気力値向上の賜物)で終わり、一安心だった。



 2日目はEランクで探索できる限界の10階層を目指すことになった。

 正直10階層まで来ても、魔物は私達の相手にはならなかったが、【念話】を使用した戦闘の連携確認など安全マージンをとったうえでの良い経験となった。

 2日目の夜は10階層の宿場で休むことにしたが、この夜こそは…

 


 5人全員で「大人」になった朝は清々しい、世界が自分の物になった気がした…


 3日目は迷宮攻略最終日

 10階層から出口を目指しながら、魔物を刈りまくる、というのが目標だ。


 カイからの情報で、売買に適した素材と全ての魔石を回収してまわっているが、結構な量になっていると思う。

 低ランク魔物なので、どれくらいの収入になっているから分からないが、カイ以外は初めての魔物討伐に大きな自信となった。



 昼に迷宮を出た後、イスニアまで移動し冒険者ギルドに戻った私達は、回収窓口でこの3日間での素材と魔石を提出した。


 「えーーー!これ全部を3日で?ちょっと待ってくださいー」


 私が空間収納から取り出した事にも驚かれたが、その量も想定外だったのだろうか。



 全てを換金した結果、合計で20万ギルとなった。

 1人の人が1ヶ月暮らしていける金額である。


 「どうだろう、このお金はまとめてカイに管理してもらおうと思う。カイは自分で生活費と学費を稼がないといけないけど、僕らと行動を共にする間は収入がなくなってしまうから。カイの学費と生活費をこの冒険者の収入で賄い、その後はエマの奨学金にまわす、そこをまずはクリアしたいんだが」


 「いいと思うわ!それでいきましょう!」

 ラムダがすかさず答えた、ミューも笑顔で頷く。


 「2人がそう言ってくれてるから、エマとカイはこの方針に従うこと!いいね」


 エマとカイは申し訳なさそうに頷いた。



 しかし、やはりランクを上げてランク上位の魔物討伐をしないと厳しいとも感じた。

 とりあえず数日はゆっくり休み、次の迷宮探索の準備をすることとしよう。



挿絵(By みてみん)

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