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オメガ建国記  作者: 九十九(つくも)
第一章 学院学生編
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第10話 【準備】

 私が学院に入学して1年が経ち、2度目の夏を迎えた。

 カイから指摘された【記憶消去】の加護も作成し、新たな仲間候補との出会いも万全である。


 そしてこの時期は入学試験と新入生の入寮準備で私達は長期休暇に入る。

 学生達は実家に帰る者、イスニアに残る者、様々である。

 私は帰省するか悩んでいたが、奨学金生活のエマや追い出されたラムダ、破門されたカイなど、ミュー以外はイスニアに残るので私も残ることとした。


 「えー!じゃあ私も残りますー!寂しいですから…」

 と案の定ミューも残ることにしたようだ。



 1年の最後に授業で初心者冒険者向けの講義などもあったことから、この長期休暇から冒険者ギルドへの登録が許可された。


 全員で食堂に集まり、カイにこの半年での冒険者稼業の情報を報告してもらうと

 冒険者にはE〜Sランクまで区別されていること。


 基本能力値(剣士なら腕力・魔術士なら魔力)

 E 平均50前後

 D 平均100前後

 C 平均200前後

 B 平均300前後

 A 平均400前後

 S 500以上


との事であった。

 現在の私達の能力から見ればDランク相当といったところだそうだ。



 登録後は全員Eランクスタート

 依頼達成で必要なポイントを貯めるか、昇級試験合格でランクアップ

 依頼失敗の場合はペナルティでポイント減か活動停止の措置

 昇級後半年は昇級できない

 Bランク以上は国からの拒否権なしの依頼が入る事もある

 パーティーランクは全員の平均ランクを元にギルドが決定する



 という事らしいので、とりあえず私達は拒否権のない国の依頼を回避するためCランクを目指すことにした。

 さらに、依頼内容については


 低ランク依頼は住民達の日々の生活の応援や雑用など多種多様

 魔物の生息域はギルドが毎日更新して公開

 迷宮などの探索はランクによって立ち入れる階層に制限がある

 魔物の討伐後は先に素材回収を行い、魔物の心臓部とも言える魔石を回収すると残骸は気化する

 冒険者は素材と魔石の売買で収入を得ている


 ことなどをカイが教えてくれた。

 


 「アルファ君、パーティー名はどうしますか?必要ですよね?」

 エマが尋ねてきた。


 「もちろん考えているよ。名前は…オメガ…でどうだろう?古代文字の最後の文字、僕らは前しか見ない、後ろはない、っていう意味で…どうだろう?」


 カイ「素晴らしいと思います。」

 ラムダ「アルファにしては上出来かな」

 ミュー「キャー!かっこいいですー!」

 エマ「素敵!」


 すんなり決定した。冒険者パーティー、オメガの結成である。



 「アルファ様、冒険者登録に向けて1つ提案があります」

 「なんだいカイ?」


 「鑑定の加護を全員に付与することを進言します。今からは色々な人々との関わりが出てきます。その中で早い段階で悪意を持つ者と関わらないようにするには全員が鑑定できるようにするべきかと。あと、その鑑定も現在は人のみですが、今後は武器や道具、魔物や動物など全てのものを鑑定できるように改良するべきかと」


 これだからカイは素晴らしい。もう離さないよ君を。



 【付与】については制限なく発動できるため、早速全員に改良版【鑑定】を付与した。

 そして次に大事な事は各々の武器である。


 この半年で私は錬金術の授業に積極的に出席し、武器などを改良し強化などの行う付与魔術も習得した。もちろん最強レベルの付与である。

 全員でお金を出し合い、街の武器屋で初心者用の武器などを買い揃えた。


  アルファ 片手剣

  エマ 片手剣2本

  ラムダ・ミュー 魔術士の杖

  カイ ダガーナイフ4本


 エマが剣を2本持つのは、彼女がこの半年で二刀流を覚えたからである。


 その後それぞれの武器に最強レベルの強化と耐久性、効果10倍の付与魔術を付与した。恐ろしく最強な武器になったと思う。

 原価が安い武器なので、どんどん使ってほしいものだ。



 「アルファ様、あと、魔物討伐の際の素材回収などもありますので、闇属性にある【空間収納】も全員に付与していただけたら助かります」


 なるほど、確かにそうだ。

 早速【空間収納】を作成後全員に付与し、ラムダは闇属性持ちだが、魔術として使用すると魔力を消費するので、魔力を消費しない加護として別に付与することとした。


 準備は整った。いよいよ冒険者登録である。



 そこから1週間かけて冒険者に必要な諸々を準備し、冒険者ギルドに行く日になった。

 冒険者ギルドは以前来た時と同じく、多種多様な種族の者達で賑わっていた。


 「お!ニイちゃん。かわいい子を4人も連れてハーレムだなおい!ここは遊び場じゃねーぞ」

 案の定ヤジが飛び交う。


 私もだが全員が緊張して顔が強張っている。

 ただ、やはりカイだけは場慣れしているのか平然としている。

 受付カウンターに行き、中年の女性に


 「すみません、学院の学生なんですが、全員の冒険者登録とパーティー登録をお願いします」

 「あら、学生さんね。帰省してないの?熱心ね」


 冒険者達のヤジとは打って変わり、清々しい笑顔で対応してくれた。

 問題なく全員の登録とパーティー登録も終わり、各自に発行された身分証ギルドカードには


 アルファ 職業 魔法剣士

 エマ 職業 剣士

 ラムダ 職業 魔術士

 ミュー 職業 魔術士

 カイ 職業 探索士


と記載してもらった。

 この職業は加護の【鑑定】でも同じように表示されることになった。


 カイについては色々考えた結果、他人に知られても大丈夫なところという意味での選択だ。

 学院内では隠しているが、私はすでに帝国騎士団レベルの技は習得済みであり、魔術も全属性中級までを習得している。

 エマと同様であるが、私もそうだが基本能力値がまだ低いので攻撃力という面では心許ないのだ。

 カイについては最初から優秀であったので、おそらくCランク程度の冒険者なら彼女から逃れる事はできないだろう。

 そしてラムダとミューもそれぞれの3属性中級までを習得済みである。


 全員技術的な面では帝国騎士団や魔道士団にも入れるレベルではあるが、基本能力値が低いのでその効果を発揮することはできないだろう。


 さて、いよいよ魔物討伐に出発である。



挿絵(By みてみん)

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