↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オメガ建国記  作者: 九十九(つくも)
第一章 学院学生編
10/37

第9話 【策士】

 カイの告白時、彼女の能力を確認したところ、筋力は100程度であったが、他の飛び抜けた能力に驚いた。


  走力240 知力220 気力212


 加護はないにしても、学院の1年生ではトップレベルだったのだ。

 よくもまぁ、これだけの能力を隠していたものだと感心さえしてしまった。


 そして、早々に彼女の能力を鑑定して確認していれば、と自分のアホさ加減にも反省してしまった。



 「カイ、どうだろう?僕らの仲間にならないか?僕らは今4人で日々能力向上に励んでいるんだけど、それは学院を卒業した後にみんなで好きな事をして楽しく生きていくための準備なんだ。

それに、みんなそれぞれに事情を抱えているし、君の事情もよく理解できると思うよ」


 私はカイの事情を知ってしまった以上、やはり仲間に引き入れるべきだと判断した。


 「そうですね。けど、あなた達の仲間というのがまだよく分かっていないから、よかったら皆さんに合わせて頂けるといいのですが」


 賢明な判断だ、カイはやはり冷静沈着で頭がいい。

 そして、カイには私の秘密についても全てを話した。


 「はぁ…そんなとんでもない加護持ちだったんですね。完全に騙されていました。ただの女好きかと思っていましたよ…」

 「ハハハ…確かにいつも美女3人を連れて歩いてるからね…ハハハ…」


 思わぬところで目立っていたようだ…



 翌日の夕刻、私はエマ、ラムダ、ミューをカイに改めて紹介した。


 「はじめまして、カイと申します。出身についてはみなさんの身に危険が及ぶ可能性があるので控えさせていただきますが、体術と戦術を専攻しております」


 さらっと怖い事を言う子である。

 そこから私はしばらく席を外し、彼女達4人のみでコミュニケーションをとってもらうこととした。

 


 しばらくして戻ってみると、今まで見た事がないようなカイの笑顔がそこにあった。

 きっと彼女は素性を今まで隠してきたが、この笑顔こそが彼女の本性なんだと思った。


 「アルファさん、これからよろしくお願いします」


 どうやら決心してくれたようだ。


 「ただ、お願いがあります」

 キリッとした顔でカイが私を睨んだ。


 「まず、アルファさんは自分の秘密を簡単に教えすぎだと思います。私がお断りした時の事も考えた場合、少し軽率な行動かと思います」


 はい、すみません…


 「その対策として、断られた場合に相手の記憶を一部でも消してしまうような加護が必要かと」


 なるほど、そこには気が付かなかった。


 「あと、私は今まで依頼主や組織の上層部との関係性しか人気関係を知りません。アルファさんの従者になる以上、私の主人となるかと思いますので、アルファ様とお呼びさせて頂きます。これは譲れませんのでよろしくお願いします」


 「え?様?は…ちょっと…」


 カイが私を睨む。


 「はい…分かりました…」


 了承するしかない、女の子は怖い…



 私はカイとの従者契約を経て、彼女に対して数点指示をした。

 あと半年、2年に進級するまでの間は今まで通りの生活をしてもらう事。


 彼女には休日に行っている諜報関係の仕事で役に立つであろう【鑑定】と、新たに自らの姿を消す【隠密】の加護を与える事にした。

 そしてそれと同時に、2年に進級する際の冒険者ギルドでの活動に必要な情報収集を半年間行う事などをお願いした。


 「分かりました。必ずや皆様のお役に立ってみせます」


 使命を与えられる事はカイにとっては喜ばしい事なのだろう。


 「あ、あと1つ…カイ、君は目立たないようにと、あえてそのように印象を暗く見せるようなメイクをしてるだろう?かえって目立ってるぞ。君は綺麗なんだから隠しても隠しきれてないから目立ってるぞ…」


 カイは、カウンターパンチでもお見舞いされたかのように恥ずかしそうに顔を伏せた。



 しかしカイが仲間になってくれたおかげで、私の中での足りない知識や危機管理などの部分を補ってくれる「参謀」のような役割を担ってくれるのではと期待してしまう。

 今後も必要な人材や加護の種類などは彼女に相談しながら充実させていくのがいいかとも思う。


 「カイ、これで君も含めて仲間は4人になった。エマは【剣聖】の剣士。ラムダは【火・水・闇の魔術】を操る魔術士。ミューは【風・土・光の魔術】を操る魔術士。カイは【鑑定】と【隠密】で暗躍する諜報員。他に必要なものはあると思うかな?」


 「そうですね、私も冒険者稼業時には戦闘には参加していきたいので、スピード重視の近接戦闘員としての顔も持っておきたいと思います。あとは、剣士がエマさん1人では魔術の効かない相手と対峙した場合を想定して、もう1名欲しいところかと思います」


 なるほど、やはり彼女は冷静だ。

 ついでに私達の基本能力値についてのアドバイスもお願いした。


 「2年に進級するまでは今のままで、それぞれ学生間の中間くらいの能力値でよろしいかと思います。進級後は冒険者としての活動が始まりますので、そこからは気にせずに能力値は上げていき、学院内では隠して生活するというのがよろしいかと思います」


 これで今後の道筋も決まってきた。

 2年に進級後の冒険者デビューが楽しみでしょうがなくなってきた。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。