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23/26

23.純粋な笑顔

開いてくださりありがとうございます!

いよいよ、晴とルイの試合が始まります。

お楽しみに。

※この作品には、残酷・暴力描写が含まれます

いやだ…戦いたくない…。


晴はステージ裏で、頭を抱えていた。

晴が動くたびに、試合のために着せられた短いスカートが揺れる。


鬱陶しい。


なんで私が、ルイくんと戦わないといけないの。


なんでみんなの…私の…憧れの人と…。


「大丈夫?」


甘く、艶のある声が耳元で聞こえた。

それと同時に、私の左肩に心地の良い重さがのしかかった。


「晴ちゃん?」


顔を上げると、そこには私の憧れの人であり、今から殺し合う相手、ルイくんが笑顔で私の顔を覗き込んでいた。


「ルイ…くん…」


ルイくんの顔を見ると同時に、全身に力が入った。


そして思った。


今から、この人と戦うんだ。


「お待たせいたしましたぁ。時間となりましたので、試合を開始いたしまぁす。」


突然の声に、大げさなほど驚いてしまった。


そんなこと構わず、司会者の気だるげな声と共に、私とルイくんはステージの上に連れて行かれた。


「テーマは“アイドルと“ファン”です。C施設から、ルイと晴です。」


司会者のテーマ通り、ルイくんはキラキラで黒がメインのかっこいい衣装を着ている。


私も、フリフリで大きな黒いリボンがついた服を着させられた。


「きゃー!!!るいくーん!!♡」

「がんばってるいくーん!」

「は?なんで女と?触ったらマジで許さん」

「こいつが噂のルイというやつか」


観客席からは、ルイへの黄色い歓声と、晴への妬みの声で溢れかえっている。


私は落ち着くために、深呼吸をした。

それでも、体の震えが止まらない。


ルイくんはというと、観客に手を振って、笑顔を振り撒いている。


私は、おそらく人生で初めて、ルイくんに本気で恐怖を感じた。


「それでは、試合開始ぃ」


  カンカンカンッ


金属を叩いたような音が会場に響く。


この音を、もう何回聞いただろうか。


その音と同時に、ルイくんは晴に近づいた。


私は全身に寒気を感じた。

そして構えた。ルイくんを、相手に。


「はるちゃん、手を貸して?」


ルイくんは、天使のような笑顔で私に言った。

そして、まるで女の子をエスコートするような手振りで、私に手を差し出した。


私は不思議に感じながらも、ルイくんの手に自分の手をそっと置いた。


「…いい子」


ルイくんが小さくそういうと、観客、特に女の観客が叫んだり、嫉妬したりしている。


こんな小さな声でも聞こえるのは、ステージに結構な数のマイクが備え付けられているからだろう。


「怖いよね、はるちゃん。でも安心して。相手は僕だから。」


ルイくんは、甘い言葉をかけると同時に、私の手の甲に軽くキスをした。


「っ…?!」


私の体は、一瞬にして固まった。


照れたのではない。

背筋が凍るほどの恐怖を感じた。


「いやぁぁぁあ!!!私もされたい!!」

「あの子いいなぁ!私も死んでもいいからやられたい…♡」

「あの女マジでなに?手引っ込めろよ」


観客席は、瞬く間にルイくんの虜になっていった。


ねえ…みんな、気づかないの?

ルイくんのこれは下心とか、そういうんじゃない。

絶対何か裏がある。


だっておかしいよ。こんな殺し合いで、こんなことを、あんな天使みたいな笑顔のままするなんて…。


固まっている私をみて、ルイくんはにこっと笑った。


次の瞬間、私の体がルイくんの体に密着した。それと同時に、ルイくんは観客に背を向けた。


そして自分の顔と私の顔を、唇があたるほどの距離まで近づけた。


「怖がらないで」


その言葉に、甘い声に、全身の力が抜けてしまいそうになった。


ルイくんの顔には、殺気も恐怖もない。


ただ純粋に、楽しんでいるような笑顔を浮かべていた。

読んでいただき、ありがとうございました!

ルイは単なる残酷な子ではなく、純粋に楽しんでいる様子でしたね。

彼の考えや価値観は、どのようなものなのでしょうか。

次話もお楽しみに!

コメントや評価、気軽にしていただけると嬉しいです!

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