表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/26

22.してねぇよ

開いてくださり、ありがとうございます!


前回は、晦が少しだけ柔らかい雰囲気になった回でした。

そして今回は、これからの物語で、とても重要になる回の前触れです。

どうぞお楽しみください!


※この作品には、残酷・暴力描写が含まれます。

罪悪感で死にそうだ。


柊は、ベッドで仰向けになって、天井をぼんやりと見つめていた。


施設のやつ、2人も殺しちまった。

ほんとは、俺を殺して欲しかったのに。

あいつら、殺してって頼んできて…。


 “ごめん…俺、生きれない…”

 “殺して…お願い…”


殺した家族の声が、フラッシュバックする。


「ゔっ…っ…」


柊は、強い吐き気に襲われた。

反射的に起き上がり、呼吸を整えた。


ほんと、おかしすぎるだろ…この世界。


あいつらを殺した後、なんとなく広場に少し顔を出したけど、真夜と慈愛くらいしかいなかった。


他の奴らは、部屋に閉じこもってるんだろう。

俺もその1人なんだけど。


家族殺した後で、どんな顔してみんなに会えばいいのか、わかんねぇから。


吐き気が弱まると、柊はまた仰向けでベッドに横たわった。


慈愛と真夜はおそらく、大体を広場で過ごしている。

理由は、なんとなくわかってる。


俺の中には、悩んでも悩みきれない悩みがあった。


“広場に、行ってもいいのか”


2人殺してるし、どの面下げればいいかもわかんねえまま、覚悟もないまま、中途半端で行ってもいいのか?


そんな考えが、ずっと頭を支配している。


「はぁ…」


俺は、この世界の仕組みをガキの頃から知ってた。


慈愛もだ。

俺と慈愛だけが、知っていた。


あれから4年。あっという間だったな。


そんなことを考えていると、部屋の前についているチャイムが鳴った。


「!…誰だ」


俺はベッドから飛び起き、構えた。


「ごめん。俺だよ」


ドアを開けたのは慈愛だった。

相変わらず、むかつく笑顔をしていた。


「…いいのかよ。そんなうろちょろして」


俺は慈愛から目を逸らさず聞いた。


「ん〜?大丈夫だよ。警備員に何も言われないしね」


慈愛はそう言って、ベッドに座った。


「柊も、座って」


慈愛は笑顔で柊に言った。

俺は渋々、慈愛の左隣に座った。


「…少しでもいいからさ、せめて真夜とだけでも一緒にいようよ」


慈愛は少し下を向きながら、小さい声で言った。

俺は、床を見ながら答えた。


「…いいのかよ。俺2人殺してるし、会わせる顔ねぇよ…」


俺がそう言うと、慈愛は悲しそうに笑った。


「柊が悪いわけじゃないんだから、大丈夫だよ。真夜も、俺も、待ってるよ」


慈愛のその言葉は、とても温かかった。

でも、柊はどうしても納得ができなかった。


「…俺じゃなくて、他のやつ誘えよ。翡翠とか、桃華とか鞠とか。俺、行ったってしゃべんねぇよ。」


柊は、慈愛を突き放した。


慈愛は少し驚いていたけど、笑顔で、静かに俺の言葉を受け止めていた。


「…後悔してる?みんなに言わなかったこと」

慈愛は、震える声で聞いてきた。

柊は、少しだけ慈愛を見た。


後悔はしてない。

むしろ、慈愛の意見に従ってよかったとすら、思ってる。


「…してねぇよ。」


柊がぶっきらぼうに返事をした。


「…そっか。それならよかったよ」


慈愛は、少し寂しそうな笑顔でそう言った。

そして、ベッドのシーツをぎゅっと掴んだ。


「ねえ柊。」


慈愛の声色が変わった。


少しの間が、ものすごく長く感じる。

空気が張り詰めて、息がしづらい。


柊は、慈愛から目を離せなくなった。


「俺の話、聞いてくれないかな」

読んでくださり、ありがとうございました!


柊の葛藤、家族を殺した事実、今の施設のみんなの状況、慈愛の話。

今回は、私も特に好きな回です。

そして、慈愛と柊が小さい頃から世界の仕組みを知っていたという事実。

これは、私にとってとても重い事実です。


そして、慈愛の話とはなんなのか。


コメントや評価をしてくださるととても喜びます!

次話もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ