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20/26

20.お前も

開いてくださり、ありがとうございます!!


前話は、慈愛の気持ちが垣間見れる回でしたね!

私はあの回がとても好きです。

それと同じくらい、今回の回も好きです。

今回はC施設の葛藤になります。ぜひ、楽しんで見てください!


※この作品には、残酷・暴力描写が含まれます

「お前が殺したんだろ!!!」

芯が、同じ施設の男の子から責められているのを、晴たちは目撃した。

殺風景な空間の中に、男の子の怒鳴り声が響く。

「お前…ルリと殺りあったよな…?なぁ、お前、なんでルリ殺したんだよ…」

風途はそう言って芯を責めていた。

かずとくんが好意を寄せていたルリちゃんと芯ちゃんが、今日殺し合うことになった。

結果的に、ルリちゃんが死に、芯ちゃんが生き残ったのだ。

「お前が死ねよ…なんで…なんでお前が生きてんだ…。ルリを返せよ…」

芯ちゃんは泣きながら、静かにかずとくんの言葉を受け止めているようだった。

かずとは、芯の胸ぐらを掴んだまま、泣き崩れている。

芯も、震えながら泣いている。

「返せよ!!なあっ…芯…。ルリを返してくれよ…」

私たちは、ただみていることしかできなかった。だって、かずとくんが芯ちゃんを責めてしまう気持ちもわかる。でも、芯ちゃんが責められていいわけじゃない。

どっちも、間違ってないから。

でも、そう思わない人たちの方が多いみたい。

「いやわかるけどさ…」

「きもwあいつだって、私の友達殺してんだけど」

「まあでも、芯ってちょっとムカついてたし、死んでくれてもよかったけどな」

2人の争いを見ている野次が、冷酷な言葉を口にしていた。

それをみた紫陽が、そいつらの方に一歩踏み出した。

「あんたら…!」

紫陽が何か言いかけたけど、それを紫愛が止めた。

止めた紫愛の顔も、怒りに満ちていた。今にも、そいつらに殴りかかりそうな表情だった。

私も、そいつらに言ってやりたい。

でも今それをしたら、あの2人を止める人がいなくなる。

我慢だ。

晴そう思い、目線を芯に向けた。

その瞬間、かずとが拳を振り上げているのが目に飛び込んできた。

晴たちは目を見開いた。

やばい、このままだと芯ちゃんが危ない。

全身の毛が逆立つような感覚に襲われた。

私と紫陽ちゃん、紫愛くんはかずとくんを止めに入ろうと足を踏み出したが、完全に間に合わない。

かずとくんの拳が芯ちゃんの顔面に当たる。

そう思っていたみんなは、自分の目を疑った。

「…は?」

晦が、かずとくんの拳を止めていたのだ。

「手出すのは違う」

晦はかずとくんに言った。

かずとくんの顔は、怒りと悲しみに満ちている。その勢いで、かずとくんは晦の手を振り払った。

「うるさいっ!!この女は人殺しだ!!俺のルリを殺した、犯罪者だ!!!」

かずとくんは泣きながらそう叫んだ。

「ごめ…ごめんなさ…」

芯ちゃんは震えながら、泣きながら、かずとくんに謝った。

それを見た晦は、芯ちゃんの前に立ち、かずとくんをまっすぐ見た。

「じゃあお前は?」

晦のその言葉は、その場にいる全員を凍りつかせた。

晦の表情はいつもと変わらない。

静寂を破るように、晦は口を開いた。

「お前も殺してるだろ。3人。施設のやつを。それと何が違う?」

晦の言葉に、かずとくんは反論しない。

できないのだ。

晦が止めてくれている間に、紫陽ちゃんと紫愛くんが芯ちゃんをホールから連れ出した。

私は、晦の言葉の衝撃さに、なにもできなかった。

晦は、芯ちゃんがホールから出たのを見届けてから、かずとくんに伝えた。

「…当たっても、手は出すな。」

それだけ言うと、晦はホールを出た。

かずとくんはその場に膝から崩れ、放心状態になった。

「かわいそぉ…」

「私もルイくんがしんじゃったら、ああなっちゃうかも…♡」

「大丈夫だよ。僕は死なないから」

あぁ、ほんとにイライラする。

ルイくんと、ルイくんの取り巻き女たちがそんな会話をしていた。

この人たちの態度には、いつまで経っても慣れない。

怒りが込み上げてきたところで、男警備員がホールの扉を開けて入ってきた。

みんなが警備員に目を向けた。

「そんなに見るなよ気持ち悪い。あー、明日の試合、ルイと晴。お前らからだからな。」

警備員はその事実を伝えて、すぐにホールを出た。

その瞬間、ホールは動揺と混乱に飲み込まれた。

「え…ルイくん…。晴と?」

「晴さんって結構強かったよな。」

「ちょっと晴さん?!あんたが死んでよね?!」

「晴ちゃん、よろしくね。」

野次や取り巻き女、そして憧れのルイくんの声すら、だんだんと遠ざかっていく。

私の中には、混乱と恐怖が入り混じった感情が込み上げてきた。

私と…ルイくんが殺し合い…?

読んでくださり、ありがとうございました!


今回、晦という人間、芯という人間、C施設という空間が、より鮮明になったような気がします。

晦の言葉は、この世界を生きる全員に突き刺さるような言葉でしたね。

かずとに向けて言った言葉は、野次や味方も凍りつかせました。

もちろん、自分にも。


次話もお楽しみに!気軽に、コメントや評価をしてくださるととても嬉しいです!

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