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18/26

18.理解

開いてくださりありがとうございます!


前回、紫愛が背中を押したのもあり、芯は晦の部屋へ向かった。今後の2人の関係は、どうなるのでしょうか。

※この作品には、残酷・暴力描写が含まれます

なんで、あそこまでして助けに来たんだろ。

晦は自室で考えていた。

多分久しぶりに、芯のことを真剣に考えた。

俺から芯に話しかけることもなかったし、芯が来ても俺は冷たかった気がするのに。

そこまで考えて、晦はベッドに倒れ込んだ。

まあいっか。考えても、俺は芯じゃないからわかんないし。

考えるのをやめた途端、部屋の扉が勢いよく開いた。

「かい…!」

扉を開けたのは芯だ。不安そうな表情のまま、俺の部屋に飛び込んできた。

「ごめん…!さっき…見てられなくて…。

怪我、どう?大丈夫…?」

芯は涙目で俺に聞いてきた。

「大丈夫。」

俺は短く答えて、すぐに芯に質問した。

「なんで出てきたの?」

俺は芯に目を向けずに聞いた。

芯は不思議そうな顔で俺を見つめた。

「死にそうだったから…?」

なんで聞くのか不思議だというような口ぶりだった。

いや、本人に聞いてもわかんなかったな。

「自分の命よりも、俺が大事なの?」

俺は、芯の目を見て聞いた。

普通は他人よりも、自分を優先するものだ。人間の大体は、そういうものだ。

だからこそ、芯の行動が理解できない。なんで自分を危険に晒してまで、他人の俺を助けようとしたのか。

俺の質問に、芯は少し悩んだ。

「わかんないけど、体が勝手に動いたの…ってことは、そういうことになるのかな…」

芯は腕を組み、考え込んでしまった。

そんな芯を見て、俺は少し呆れたような気がした。

「…これからは自分のこと大事にしなよ。

それに、俺と接点ほとんどなかったじゃん」

俺がそう言うと、芯は顔を勢いよくあげて、悲しそうな顔で言った。

「え?!話してたじゃん!」

芯は、信じられないというような顔で俺に言った。

えぇ、それは芯の一方的で、俺絶対冷たかったって。

あれで満足だったの…?

「うぅっ…っ…」

俺が黙ると、芯は泣き始めてしまった。

慰めるべきだったのだろう。でも、試合で疲れていたのか、頭が働かなくて何もできなかった。

そのせいで芯が泣き続け、晦が芯の泣いているこの状況と、芯の考えがわからなくて混乱して考え込む、というカオス状態が10分程度続いた。

10分経ってから、芯が泣き続けていることに気がついた。

晦は少し焦りながら、芯に声をかけた。

「ねえ…そろそろ泣き止んでよ…」

芯は泣きながら俺を睨んだ。

「かいが泣かせたんじゃん〜…」

芯はそう言うと、また泣き出した。

えぇ、俺…?

「いやっ…んん………」

言葉に詰まる。いや、詰まるどころかなにを言えばいいのかもわからない。

誰でもいいからきてくんないかな…。

「えっと…どういう状況?」

扉の方から声がした。

みると、紫愛と紫陽が立っていた。

その瞬間、全身の力が抜けていくのを感じた。

「いや…わかんない。ちょっと連れてって…」

俺は額を抑えながら2人に頼んだ。

「ん。ゆっくり休んでね」

紫愛は俺にそう言うと、芯と紫陽と一緒に部屋を出た。

最後まで、芯は泣いていた。紫陽が背中を摩って慰めていたような気がするが、ほとんど見ていなかった。

3人が去った後、部屋には静けさだけが残った。

「はあぁ…つかれた…」

晦は情けない声を出してベッドに横たわった。

そしてそのまま眠りについた。

読んでくださり、ありがとうございました!


晦と芯、明らかにお互いに認識し始めて、理解しようとしてますね。

いい進展です。

こんな時間が続けばいいのですが、この世界は優しくありません。


次話もお楽しみに!気軽に、コメントや評価をしていただけると嬉しいです!

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