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国王と王女に話しをきいてもらおう

 わたしの命を狙う双子の公爵令嬢たちは、さぞかしわたしの命を脅かす算段でもしているのかと思いきや、そうではない。


 彼女たちは、わたしの命を脅かす為の計画を本気で練っているわけではなさそうである。


 わたしの命を狙う素振りを見せるだけで、それを察知して邪魔をしようとするパーシーとチャーリーに絡みまくっている感じがする。


 男女二組の双子たちは、はやい話がわたしを餌にして接触しているのではないかしら?


 彼らは、いつもわたしとは関係のないところで激しく言い争いをしている。よくよくきいてみると、わたしとは関係のない話題、例えば子どもの頃にあんなことがあったとかこんなことがあったとか、昔ばなしから最近の話まで話題にしては誹謗中傷や心ないことを言い合っている。


 彼らの「真実の声」は、パーシーは姉のビアトリスを、チャーリーは妹のアイリーンを、それぞれ愛しすぎている。そして、いまのこの状況をどうにかしたがっている。


 そのことを知っているだけに、わたしの方がつらく苦しくなってくる。


 そんな彼らの様子を見ていられなくなる。


 そこで、ふと思いついた。


 彼らをくっつけてしまえばいいじゃない、と。


 そうすれば、彼らの恋は成就する。そして、彼らはしあわせになれる。


 同時に、ヴィクターとわたしは、彼女たちにムダに命や地位を脅かされることがなくなる。


 だれにとってもハッピーエンドになるのではないの?


 われながらグッドアイデアだと思った。


 そして、恋の女神か天使にでもなった錯覚を起こした。


 とはいえ、彼らのことをよく知らないわたしに出来ることはない。しかも、自分自身が恋愛経験がない。恋愛経験だけではない。他人のお節介を焼くこと、他人の事情にクビを突っ込むこと、他人の感情や心情に入り込むこと、等々あらゆる経験がない。


 というわけで、さまざまな特訓のルーティーンをこなしながら思い悩んだ。


 そして、最善の方法を思いついた。


 キャロルとヴィクターに相談してみよう。彼女たちの力を借りよう、と。


 そして、すぐに実行に移した。


 説明する際、信憑性を持たせる為にわたしの力の話をした。正確には、生家アンダーソン公爵家に受け継がれている能力のことをである。


 ほんとうのこと、つまり「真実の声」のことは伝えなかった。きっとひかれると思うから。それに、わたしに心を読まれているようで気味悪がられるだろうし、わたしに心を読まれているようなものだと思えば気持ちのいいものではないはずだから。


 そこは適当にぼかしつつ、うまく伝えられたと思う。


 双子たちは、じつはそれぞれ愛し合っている。その恋心が成就出来るよう手助けをしたい。


 ようはそれが伝わればいい。


 特訓が終り、夕食も終わってから、キャロルとヴィクターにお願いしたいことがあるとこっそりささやき、ヴィクターの執務室で話をきいてもらった。


 長椅子にキャロルと並んで座り、ヴィクターは執務机の向こうにいる。


 その二人に必死に説明して訴えた。


 二人とも黙ってきいてくれた。


 そして、沈黙。


 室内に痛いほどの静寂が横たわる。窓の向こうは、遠くの篝火の淡い光が浮かんでいる。


 どちらかが口を開くのを待つ間、心臓はドキドキばくばくしていた。



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