英知
シムがタツキがこの状況に気づいてると言ったことや、タツキがシュウの名前を呼んだこと、もう薄々みんなにバレてるような気もした。
「どうして?」
シュウの問いにシズクが答える。
「リューオスに聞いたの。あなたが私のことを弟みたいなものだって言ってたって」
「大噴火の後、天空岩の復旧に頑張ってたけどね、私も動けなくなって……リューオスに見つけてもらったの」
「リューオスと深い付き合いなんだね」
なんてシュウは言いながら、二人は想像以上に深い関係なんだと思った。
「まあね」
シズクが赤くなりつつも、否定しなかった。
「てっきり顔見知り程度の間柄かと思ってたのに」
シュウが生まれた頃の天空岩は今よりも竜人も多くいた。
リューオスとは会ってたかもしれないが記憶になかった。
だからかもしれない、シズクも同じくらいの付き合いなんだと思い込んでしまっていた。
「参ったな。世間話のつもりだったのに」
「やっぱり、シュウなのね」
涙ぐんだシズクがハグしてくる。
なんかたくさんハグされる日だ、なんてシュウは思った。
*
「どうして、シムなんて名乗ってるの?」
シズクの問いに、シュウはかいつまんで説明する。
大噴火の際、動けなくなったこと。
そんなシュウの目の前に大きな竜が現れ、その魂をインストールしたこと。
インストールしたらそれはシムという少年だったこと。シムがたまに休止状態になること。その際はシュウが活動してること、それらを説明した。
「あなたはそれでいいの?」
「あぁ、僕はこの星の英知を手に入れたんだ。後悔はないよ」
シズクが不思議そうな顔をする。
なので、シュウは説明する。
「インストールしたら、この星の昔の姿とか歴史とかたくさん見えたんだ。きっと役に立つし、この星にもとても大事なんだ……」
――ちょっと待って!
シュウの言葉にシムが大反論していた。
――英知とかって僕のこと? そんな大層なものじゃないよ。
この時のシムの反論は、幸か不幸かシュウには聞こえていなかった。
――勝手に決めないで! ねえって!




