道案内
「そう?」
シズクがシュウに聞き返す。
「このことはみんな、知ってるの?」
「いや、今はじめて喋った。このことはいつか自分の口で話すよ。アッゼにもタツキにも」
「それがいいかもね」
* * *
「行っちゃった」
「行っちゃったね」
タツキとメノウが飛び去ったのを見届けたユーテムとルイセはシュウの方を振り返る。
「さあ、天空岩を見て回ろうか」
と、ユーテムが言い出した。
「案内してくれるんでしょ!」
きらきらした目でルイセが言い出す。
「うん。僕じゃ役不足かもだけど道案内するよ」
シュウが快諾する。
「地理はファッティ遠隔操作して、覚えたし」
シュウの言葉を聞いて、シズクはそうだったと思い出す。
シュウは竜人のように竜繭で眠り、ファッティを自分の意思で操作できる。
「シズク、また来るよ」
シュウの言葉に、シズクは笑顔で答える。
「また来て。今度はゆっくり話しましょう」
* * *
「ただいま」
タツキに送られ、気まずいながらメノウは家に帰って来た。
そんなメノウを出迎えたのは父親だった。
「お、メノウ。お帰り」
メノウの父親は、メノウの隣に竜人の男の子がいたので一瞬険しい表情になった。
タツキもメノウも父親の険しい表情には気づかず。
メノウの父親はすぐ笑顔になり、こんな事を言った。
「メノウ、男の子の友達ができたのか? ひょっとしたら恋人か?」
メノウは無表情になった。
――このがさつオヤジが! 人の食べ物奪うだけじゃなく、恋路まで勝手に決めて……
声に出さず、内心、すさまじい恨み言をつぶやくメノウ。
そんなメノウの心理を知るはずもないタツキがこんな事を言う。
「何、言ってんだよ。俺じゃないよ。メノウが好きなのはリュ……」
「きゃあー!」
メノウが慌てて、タツキの口を塞いだ。
「なんだよ?」
タツキは心外と言わんばかりに抗議する。
「そんなのお父さんの前で言わないで」
「なんでだよ」
タツキとシズクに、リューオスが好きと言ったのは他ならぬメノウ本人なのだ。




