手伝う
「行くか」
タツキはメノウの手を引き、研究所から出る……
研究所を出る前に、タツキはシュウの方を振り向いた。
「シム。またエンターティメントするんだろ?」
親指を立てるタツキ。
「エンターティメント?」
シュウは戸惑う。
そんなシュウのそばにタツキが歩み寄る。
「大丈夫。シムならできるって」
そして、元気づけるように背中をぽんぽん叩く。耳元に口を寄せてこう囁く。
「ごまちゃん? それともシュウ? シムのこと手伝ってやって」
「え!?」
今度はシュウが絶句した。
ごまちゃん? 誰のこと? それにシュウって、今シュウの名前を呼んだ……
タツキは本当にこの状況をわかってるのだろうか? そんな疑問が頭の中でぐるぐる反芻してるうちに、タツキはメノウを送るべく研究所を後にしていた。
タツキの去り際の笑顔とその後ろ姿を見ても、唖然としていたシュウだった。
*
研究所の外に出たタツキとメノウは颯爽と飛んでいく。
そんな光景にユーテムとルイセは感動していた。
「本当に飛んでる!」
「しかも、二人同時に!」
「すごい光景だ!」
ユーテムとルイセは、ずーっとそんな感じでタツキとメノウを見ていた。
タツキは自分が見られてるのがわかったのか、途中振り返り手を振って見せた。
「きゃあ! 手を振ってくれたわ」
「おーいおーい!」
と、ユーテムが両手で大きく手を振る。
「おのぼりさんね……」
シズクがそんなことを言う。
そういう使い方をする言葉だっけ? そんな疑問を抱くシュウだった。
そんなシュウに、シズクが声をかける。
「シム君だったかしら?」
「あぁ、初めまして」
シュウはシムのフリをして過ごしているわけだから、シズクの前でも当然シムのフリをする。
シズクはじっとシュウを見ている。
久々に会うシズクはなんだか大人の雰囲気が増してるような気がした。
シズクはため息をつくように息を吐いた。
「嘘よ。あなた、シュウね」
「………」
シュウは否定しなかった。
ごまちゃんに関しては『機械仕掛けの魔法使い -スティナ-』を参考に。




