エリクルフィアの歴史
まずは神と呼ばれたエリクルフィア。
空に存在する五大陸。その総称であるエリクフィアに彼らは住んでいる。
エリクルフィアには名持ちと名無しが存在する。名持ちは特別な役割と権威を与えられている。一方で名無しは何も持たない。商売などで生計を立てている。
名無しの暮らしはかなり過酷だ。五大陸の中でも最も住みやすい大陸は名持ちが所有する。まだ人が住めるであろう大陸を二つ使い名無しは暮らす。だが、どちらも名持ちの魔法訓練の被害を受けやすい。
不満が溜まった名無しによってエリクルフィアは内乱を起こした。その内乱で被害を受けるのは名無しの暮らす大陸。
内乱は星のエリクルフィア、月のエリクルフィア、破壊のエリクルフィア、創造のエリクルフィアの功績により終息。その後その英雄たちは名無しの権利を訴えた。
少しは名無しの暮らしもまともになったが、それでもまだ名持ちとの差は埋まらない。
いずれ埋まることはあるんだろうか。
エリクフィアにはあと二大陸ある。その大陸の一つは資源が豊富な大陸であり、名無したちがそこから資源を得ている。もう一つは帰ってくるものは誰もいないと噂がある大陸。
ある時髪に長い少女はその大陸にいた。そこで暮らしていた。
その大陸は全てが森。森の大陸。そこにはエリクフィアにとって大事なものが幾つもあるがエリクルフィアたちの多くが知らないだろう。
森の中は異様な雰囲気だ。どこからともなく声が聞こえる。それは植物たちの声だ。この森では植物が自我をもっている。意思疎通ができる。
だが、自由に動き回ることはできなかった。それをある男の子ができるようにした。植物から意識だけを妖精のような姿の器に移すことで。植物たちは自由に植物と妖精に変えられた。
長い髪の少女は植物たちに家をもらった。植物で作られた家だ。床の木はわずかに柔らかい。足に負担がこない。ベッドの葉っぱはふかふかとして、植物たちに頼めばトランポリンのように遊ぶこともできた。
身を清めるには近くにある泉へ入った。その泉はお風呂よりも少し冷たいくらいの温度だ。そこで時々髪の長い少女は植物たちと宝石探しをした。自作自演の。
この森には秘密がある。それは、結界で守られている樹があるという秘密。長い髪の少女はその樹に会いに行くことができた。
世界とは断絶されているかのような場所でその樹は立っている。数十メートル……百メートル以上あるかもしれない。そんな大樹だ。
その大樹の名はリプセグ。大樹には人格が宿っている。リプセグは知的で美しい女性の器を持っている。
リプセグはエリクフィアの始まりの樹。原初の樹と少女は呼んでいる。そのため今度からは原初の樹と記す。
リプセグは稀に実を実らせる。その実は魔力疾患に効く薬が作れるが、髪の長い少女が知る限りでは一度しかその実を実らせたことはない。
色は薄緑。形は菱形に近い。ふにふにと柔らかい感触。
エリクルフィアは人間に干渉する。その際には自ら神と名乗っている。




