送別会という名の最終決戦
関東が梅雨入りした蒸し暑い週末の金曜日、最後の出勤を終えた丸平他与太は、19時に商店街にある居酒屋にいた。
掘りごたつの向かいに座るのは直角直子。他与太の為に送別会を開いた幹事であり、総務課からの唯一の参加者だった。
「な、直角さん。今日は俺の為にこんな会を開いてくれてありがとうございます。実は大人数は苦手で 。直角さんと2人なのがすごく助かります」
「そ、そうですか? 良かったです。私もあの大人数の飲み会のノリが苦手で。あんなの阿呆共がアルコール摂取してさらに阿呆マシマシになるだけですしね。こ、今夜は羽目を外しまくって。い、いやいや。お互いに無礼講で行きましょう」
「こちらメニューで〜す」
その時、2人のテーブルに20歳前後の若い女の店員がメニューを持ってきた。女はショートカットの茶髪、胸元が大きく開いたシャツからは、豊かな胸の谷間が見え隠れしていた。
そして女店員が腰をかがめ前傾姿勢でメニューをテーブルに置いた時、重力に引き寄せられたシャツが垂れ下がり、覆っていた布から解放された豊かな胸の渓谷が他与太の眼球に飛び込んで来た。
直子『マ、マルピー!? ギャル店員の胸元を超ガン見しているわ! く、やっぱりマルピーと言えど若い女がいいのかしら? と、言うかマルピーは巨乳好きなのかしら? た、確かにあのギャル店員は私の見立てでは推定戦闘力92(?)。で、でも私だって戦闘力85(?)あるんだから! で、でも確かに戦闘力、いえ大きさでは負けているわ。 こうなった形と張りで勝負よ! で、でも若い子の張りには負けるわよね。な、なら形で勝負よ! あのギャル店員のブラを引っぺはがして、私とどっちの形が好みかマルピーに決めてもらうしかないわ!!』
「ま、丸平さん。何を飲みますか?」
「え? あ、はい! えっとビールで。直角さんは ?」
「わ、私は泡盛をロックでいただきます」
「お飲み物ご注文いただきました〜」
茶髪の巨乳ギャル店員が注文を取り去っていく。他与太は猛烈に自分を恥じていた。
他与太『や、やばい! あの店員さんの胸の谷間 (右乳にあった2つのホクロが俺的にドストライク)をガン見しすぎた! み、見られたよな?「なおなお」に俺があの店員さんの胸の谷間に見惚れていたところを刮目されていたよな? ま、まずいよ。絶対に「なおなお」に軽蔑されたよ!』
「······もう駄目だ。一巻の終わりだ。なおなおに嫌われた」
「え? なおなおが何ですか? 丸平さん」
「!? え? いやいや違いますから!「なおなお」なんて言ってませんから! 店員さんの右乳のホクロになんて欲情してませんから!」
「え? 右の欲情が何ですか? マルピー?」
「ん? マルピー? 直角さん。今マルピーって言いましたか?」
「!? え? いえいえ! 言ってませんよマルピーなんて! 言ってませんから! あのビッチギャル店員(個人の見解)と私のOPPAIのどちらが形いいかマルピーにジャッジしてもらおうとか思ってませんから!」
「お通しとお飲み物で〜す」
茶髪の巨乳ギャル店員が、ビールと泡盛とお通しの枝豆をテーブルに置いて行った。




