↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダダ漏れな2人  作者: tosa


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/23

引き継がれた相談メール

 ワンショット田部田のラジオコーナー「今日は飲んじゃう?」は放送事故的な結末を迎えた。来週の放送から打ち切りにならないか心配する丸平他与太と直角直子は、不安から仕事が手につかなかった。


「皆さんこんにちは。志染浅利しじみあさりの「日本にもシェスタとベーシックインカムを導入しなさいよ政府」の時間です。皆さん素敵な午後をお過ごしですか?」


  ラジオでは次の番組の放送が始まっていた。先刻の放送で心が疲弊した他与太と直子は、社会派で知られる女性パーソナリティの話す内容をほぼ聞き流していた。


「先程はワンショット田部田がちょっとやらかしてしまい皆さんには大変不快な思いをさせてしまいました。ワンショット田部田の代わりにお詫び申し上げます。ところでそのワンショット田部田から私に引き継ぎが1つありまして。これだけは「俺の代わりに放送してくれイーヤッホー!」と頼まれました。ですので今日は予定を少し変更して、ワンショット田部田の言伝を皆さんにお伝えしようかなと思います」


 志染浅利の艶のあるその声が番組をつつがなく進行していく。その中にワンショット田部田の名が含まれていると気付いた時、他与太と直子の聴覚機能はよみがえり、2人仲良くラジオを凝視する。


「その内容は先程ワンショット田部田が番組で紹介した2人の相談者です。1人はラジオネーム「悶々し過ぎて(以下略)」さん。もう1人は「彼の癖毛を合法的に(以下略)」さんです。この2人のメールアドレスにワンショット田部田は注目したようです。2人のメールアドレスにどうやら名前と思われる箇所があるようなんです。ワンショット田部田が言うには「その名前は間違いなく片想いしている相手の名前だ! それを電波に流して代わりに想いを相手に伝えてやってくれ! 告白最高! 黒糖梅酒最高! イーヤッホー!!」だそうです。ですがこれって個人情報的に大丈夫かしら?」


「ぶふぇっ!!」 「ぶふぇっ!!」


  志染浅利のその説明を聴いた瞬間、他与太と直子は口に含んだイカ煎餅を同時に吐き出した。


  他与太『や、ややヤバい!! 俺のメールアドレスは「NAONAO♡ドットコム」! こ、こんな情報を公共の電波で流され「なおなお」に聴かれた日には、この相談者が俺だって「なおなお」にバレないか? 知られないか?(気づかれません)』


  直子『ま、ままマズイわ!! 私のメールアドレスは「MARUPIー♡ドットコム」! こ、これがマルピーの耳に入ったら、私があの破廉恥な相談者だってマルピーが気づいちゃうわ!!(杞憂です)」


「うーん。いくら腐れ縁のワンショット田部田からのお願いでも躊躇しますね。やっぱりこれって個人情報的にひっかかりますよね。一応私は社会派常識人、品行方正、反政府結社「転覆革命桜吹雪」の幹部で通っていますからね。やっぱり無理かなあ」


  志染浅利の若干黒い経歴を匂わすその発言に、他与太と直子は神経を尖らせる。ここに至っては志染浅利の良心に賭けるしか無かった。


「······でも。でもですね皆さん。常識と言う殻に囚われていたら、何も発展しないんですよ。進まないんですよ!  政府転覆なんて夢のまた夢なんですよ!!」


 志染浅利は突然声を荒げ始めた。その続きを他与太と直子は顔面蒼白な状態で聴くしか無かった。


「法律だあ? 世間の空気だあ? コンプラだあ? 満員電車で足踏まれた時相手が謝罪しない時のモヤモヤだあ? そんな下らない事なんざあ、知ったこっちゃないのよ!! おいコラ! ラジオネーム「悶々」と「舐め舐め」の2人! 今から私が社会をぶち壊す手本を見せてあげるわ! 既存のルールをぶち壊す時のエクスタシーを1から10まで残さず教えてあげるわ! 心の準備は万端かしら? ふふふ。今から2人のメールアドレスを言っちゃうわよ! 革命万歳! イーヤッホー!!」


  ······志染浅利のラジオ放送はそこで途切れた。無音放送が30秒続き、次の番組が始まるまで日本の国歌がオルゴール調で流れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。