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家に帰りましょう(◝ ᴗ ◜)

白狼の里編最終回

33話

誰かが俺を呼ぶ声が聞こえる……本名でもなく今のホークという名前でもない……もっと馴染み深い呼び名で……そう…なんだっけ………

「じ……るじ……」

すごく心地よい…でも母の声とは違う……

でも呼ばれてるから起きないと……

「るじ……あるじ……主!!」


俺は声に反応して驚いたように目を覚ました。ここ何日間かで見慣れた天井…周りの襖や畳の匂い…そうだここは白狼の里…カムイの実家だ

目を覚ますとまず視界に入ったのはカムイのお母さんだ

「目が覚めたのですね!!良かった…」

「ご心配おかけしました…」

「私はいいんです。隣の者に…声をかけてあげてください」

そういえばもう1人居た。俺の名前を呼ぶ声の主

顔を左に向くとその人は居た

長く伸びた白い髪、キリッとした目つきに長く白いまつ毛と赤い瞳、身体つきはスラッとした細い腰に長い脚とそして…………うん大きくなってる…どことは言わないけど…

「もしかして…カムイか…?」

「気づくのが遅いぞ…主…」

本当にカムイだ……カムイが帰ってきたんだ……

俺は感極まって涙を流した


「おかえり…カムイ」

「ただいま……と言いたい所だが、すぐにここを離れよう」

そういえば外が騒がしい…アリエス達の姿もない

「一体何が…」

「白狼の姉ちゃん!!すぐそこまで来てるぜ!!」

「遅かったか…」

扉を開けると大勢の白狼が俺達の方を見ている。今にも飛びかかってきそうな勢いだ

「なんだ……?」

「やっと目が覚めたか……すまないご主人……」

「抑えきれなかったですわ…」

「気をつけな旦那……全員殺気立ってるぜ…」

「そのままそこに居てもらおうか」

センガさんが俺達を静止するよう声をかける。いや……これは警告だ

「これはどういうことですか?」

「どうもこうもない…地下牢に居る者を勝手に出しおって…おかげで牢もめちゃくちゃだ」

「しかし奥様の協力を得ております。これは許される事ではないですか?」

「笑止。妻が協力していようと関係ない。決定は長である私にあるのだ」

カムイのお母さんの協力も聞かず……そうか…俺達は脱獄犯と同じ扱いか…

「我が妻アオバよ、貴様には後で話がある。その前に…娘をこちらに渡してもらおうか」

「娘…?」

「そこに居る我が娘アカネの事だ。子供は家族の元に帰るのが当然の事だ」

「貴方は1度この子を見放し家族を捨てた…もはやカムイと貴方は他人も同然だ」

「カムイではないアカネだ!!勝手に名前を着けよってこの誘拐犯がぁ!!」

「やかましいこのクソ親父!!神化が終われば自分の手元に置くのかよ…それで娘が戻って来ると思ってんのかよ!!」

(はらわた)が煮えくり返る思いだ…都合のいい時だけ家族ヅラしやがる…今までカムイにした扱いを考えると渡す訳にはいかない…

「カムイは連れて帰る…こんなイカれた場所でまた生活させてたまるかよ!!」


「もう良い。そこまでじゃ」

俺とセンガさんの言い合いに向こうから新たにもう1人やってきた。なんだか位の高そうなお爺さんだ

「お父様…」

えっ……?お父様……?

「おじい様…」

おじい様……ってことは……カムイのおじいちゃん……?

「私の祖父だ…最もあまり姿を表すことはなかったんだが…」

「当主様…なぜここに…」

センガさんが驚いている。当主様ということは…このじいさんが前の長か…

「なんでもへったくれもないわい。真っ昼間から大きい声を出しよって…まぁ大体のことは把握しておるがな…」

じいさんが俺の方へ近づいてくる。俺は動けず座り込んでしまった

「お主が…ホークか?」

「あ…ああ…」

流石当主だ…見られるだけで緊張する…その場から動けば殺されそうな眼力だ…

「うちの孫が世話になっておるな。アオバから全てを聞いたぞ。最近見なかったからどうしたのかと思ったが……お主のおかげで孫が元気で居てくれて良かった」

さっきまでの眼力が和らぎ優しいおじいちゃんの顔になった。その笑顔は俺も自分の祖父から見た顔と同じ優しい笑顔だった

「アカネ……いや今はカムイか。久しいな」

「お久しぶりです。しばらく顔を出せず申し訳ございませんでした…」

「気にするな。何があったかは把握しておると言ったであろう。お前のせいではないわ」

孫を見る目はすごく優しく、今にも裾からお小遣いでも出してきそうな感じだが、センガさんを見た瞬間また鋭い眼力に戻った

「センガよ…お前を長にしたのはまだ早かったようだな…」

「しかし当主様…我々には力が必要なのです…力無き者はいずれ粛清される運命…それを私は早めに行って…」

「己の家族にもその重荷を背負わせおって…レイガの件もそうじゃ。神化が出来ないと知ると虚偽の報告をしたといきなり地下牢に入れるなど言語道断…そこまで外道に堕ちたか…」

「げ……外道ですと……!?」

じいさんの言葉にセンガさんがショックを受けている

「良いかセンガよ…上に立つ者は強さだけを求めてはならぬ。その強さを…弱き者を守るためにどう使うかを考えなければならぬ。元から強い者など存在しないのだ」

「くっ…」

「まだワシが若い頃は、一族が助け合って生きていたが…流石にこの現実は見過ごせん…まだワシが長として居た方が良いかのぉ…」

「わ……私は…」

「もう良い……この者達に殺気を向けることはワシが許さん。逆らうならばこの場でワシが処刑する」

じいさんの言葉に全員が後ろに下がる。相当な圧力だ。これは逆らえない


1悶着あったが無事に帰る準備が出来た。さっきの1件のお詫びで米やら茶葉やら色々頂いた。やったぜ

「センガの件すまなかったな」

「もういいよ。じいさんのお陰でこうして全員で帰れるんだし、カムイがこうして元気で居てくれるのが1番だ」

「ワシもそう思う」

このじいさん……孫には甘いな……?

「じゃあなじいさん。助かったよ」

「おじい様…お世話になりました」

「そう言わずに…気にせず帰ってくるが良いさ。じゃないとワシも寂しい…」

「ですが私は…」

「じいさんがこう言ってるんだから良いじゃねぇか。顔くらい見せてやれよ。お前を思う家族がここにも居てくれたんだ。それは大事にしないとな」

「主…分かった。またお会いしましょう」

カムイはじいさんを抱きしめ再会を誓う。その光景を見てから帰ろうとすると、カムイのお母さんが走ってきた

「待ってください…!!ホーク様これを…!!」

カムイのお母さんが白い服と布に包まれた長い物を持ってきた

「これは?」

「私が作りました。服は我々白狼の毛を使用し作りました魔力と魔法の威力を大幅に上げる魔装の羽織…もう1つは以前ホーク様にお渡しした刀を改良し、魔力を込めることが出来るようにしました。魔刀でございます」

あの黒刀と一緒にこんな大物まで……何から何まで至れり尽くせりってやつかな

「ありがとうございます。ぜひ使わせていただきます」

「それと、貴方にはこれね」

カムイの手を取り指輪をはめる。この指輪からもとんでもない魔力を感じる

「神化おめでとう」

「母上…ありがとうございます…!!」

カムイが涙を流す。それを見てお母さんも涙を流しカムイを抱きしめる

「体調を崩さないようにね…それと、おじい様だけじゃなくて、たまには私にも顔を見せてね…あと………貴方は自慢の娘よ…カムイ……」

「母上……母上……!!」

カムイもお母さんを抱きしめる。その光景を見た俺達もウルッと来た


「小僧。ワシからもプレゼントじゃ」

「もういいよじいさん。十分なくらい貰ったぜ」

「まあ受け取れ。ワシが昔使っておった刀じゃ」

じいさんから受け取った刀は刀身こそ普通だが、これからもとんでもない魔力を感じる

「じいさんこれは?」

「これは魂魄刀十六夜(こんぱくとういざよい)。生と死を司る刀で、生者を斬れば殺すことは出来ないが眠らせることは出来る。アンデットなどの死者を斬れば、その魂を天に帰す力を持つ。お主にも必要になってくるだろう」

「ありがたく使わせてもらうよ」

俺は十六夜を腰に差しじいさんに別れを告げる。魔族と戦う前に武器が手に入って正直良かったと思った

鳥居を抜けアウグスの街に繋がる門に向かう。色々あったがいざ去るとなると寂しいもんだ

「カムイ。大丈夫か?」

「ああ。大丈夫だ」

カムイは貰った指輪を触りながら歩き続ける

「たまには帰ろうかな」

「そうしてやりな。俺もまた行きたいし」

「そういえば、ご主人がじい様に貰った剣には名前が着いておったな。もう1本の母殿の剣には着けぬのか?」

アリエスが急に無茶ぶりのような質問をしてくる。でも確かに名前があった方が「俺の物!!」って感じがして良いと思う

「そうだなぁ…じゃあ……アカネ。こいつの名は黒刀アカネだ」

カムイが名前を聞いた途端驚いた表情をしたがその後笑い始めた。しかも涙を流すほど

「そんなにおかしいか?」

「いや申し訳ない。ありがとな主」

「もうすぐ着きますわ!!」

「長かったなぁ。色々大変だったぜ」

「しかしこれからまた大変な事が起こるのだ。心しておいたほうが良いぞ」

アリエスの言う通りだ。街に戻れば魔王グラゼスさんの依頼の件もある。また気の抜けない生活が始まるのだ

「主。行こう」

「ああ。またよろしく頼む」

俺達はまたいつもの日常に戻っていった

次回!!どうしようかな……未定!!

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