魔王から依頼されました( ºロº)
第26話〜
魔王が俺の前にいる…今にも吐きそうなほどの威圧感だ
「う…うぷ……」
「おいおいどうした旦那?マジで顔色悪いぜ」
「バカモノ…!!お前の主人にその威圧を抑えろと言え…!!人間にこれが耐えれるわけなかろう……!!」
「おお…やっぱ旦那でも無理か…グラゼス様。という事で鎮めてください」
「うむ。すまなかった」
モクローに言われ魔王が深呼吸をする。今まで感じていた気持ち悪さが少し緩和されてきた
「ふう…死ぬかと思った…」
「まぁグラゼス様の前で立ってられるのは俺たち側近くらいだからなぁ。旦那ならもしかしてと思ったんだが…」
「勝手に試すな!!」
一歩間違えたらまた転生するところだった。生きてるって素晴らしい…
「さてと、本題に移りたいところなんだが…旦那に受け取って欲しいもんがあるんだ。この間の迷惑料がてらもらってくれ」
そう言ったモクローが取り出したのは、丁寧に布で包まれた長細いものだった。武器かなんかか?
「なんだこれ?」
「この間旦那に深手を負わせちまったからな。俺なりの詫びのしるしだ」
「開けていいのか?」
「もちろん」
開けるとそこにあったのは義手だった。しかも魔石が埋め込まれていたりと結構作り込まれたものだった
「別にそんな気にしなくても」
「旦那の友人にも悪いことしちまったからな。魔族である立場上謝罪はできねぇが、旦那にはこうして謝ることは出来るから」
「そういう事なら頂くよ。しかしこれどうやって着けるんだ?」
「それはな…右手出してみな」
モクローが義手を持って立ち上がり俺の右手に沿って平行に向ける。すると義手から無数の触手のようなものが出てきて俺の右腕に絡みついてきた
「おいおい…これ本当に大丈夫か…!?いだだだだだ!!!」
「ちょっと着ける時痛いが、旦那に馴染むように作ってあるからしっかり着けば大丈夫だ」
こういうのは本当に早めに言ってほしい…魔族ってみんなこうして先々話を進めていくの…?
痛みも落ち着き義手の装着も終わった
「どうだ?」
「痛みは無くなった…しかも普段と同じように動かせる…」
「上手くいって良かったよ。さてとこっから本題だ」
「さっきから本題って言ってるが、魔王直々に何の用だ?」
「それは…本人の口からどうぞ」
「突然来てすまなかったな。改めて……アシュリー・グラゼスだ。よろしく頼む」
モクローに言われ魔王が口を開く。さっきのような威圧感は無くなってきたためこちらも話しやすくはなった
「それで魔王……様が一体ここに何用で……」
「様などつけんでよい。ワシとお主は今から友垣となるのだから」
魔王に友達認定されてしまった…
「依頼をしたいのだ。今我が国ヘイルの状態はモクローから聞いておるな?」
「確か…グラゼス…さんの息子さん達を倒せる人間を探してるとか…」
「そうだ。それをお主に依頼したい」
しかし我が息子を倒して欲しいとは…なかなか骨が折れそうな依頼だ
「もちろんお主達だけにやらせる訳ではない。ワシもできる限りの事はする。今の息子達は国民からの信頼もなく、長年ワシに仕えてきた部下達からの信頼はないに等しい…そんな状態では国を任せることは出来ない…」
「だがグラゼスさんがお灸を据える事も出来たんじゃ?」
「あのご兄弟は力だけはグラゼス様以上なんだよ。それに2人に仕えてる部下は元罪人やら金で雇われた力自慢ばかり…魔王候補があの2人じゃ兵をやめていく連中も増えてな。今じゃ多勢に無勢だ」
モクローがやれやれといった表情で現状を語る。魔王以上の力に俺は勝てるのか分からない…でもグラゼスさんもモクローも自分の国を守るために俺を頼って来たのは間違いない。種族という壁を超えて俺を友人と言ってくれたグラゼスさんや「旦那」とフランクに接してくれるモクローのためにも動いてみるか
「分かりました。こっちでも出来る限りの事はやります。ただひとつだけ……」
「なんでも申せ。時間稼ぎでもなんでも協力できることは何でもしよう」
「なら…俺が強くなるまでの時間をください」
魔族襲来編はこれにて終了
次回新章突入!?




