雨は好きになれません( ˙ω˙ )
日常回って意外と難しい
21話
朝起きると外が水音で騒がしい。窓から外を覗くと雨が降っていた
「この世界でも雨は降るのか」
正直俺は雨というのがあまり好きではない。雨音は好きなのだが、雨の日は外が暗いため気分が暗くなってしまうし、よく遊びに行く予定が雨で流れたりもしていた
なので俺は今日は店を休みにしようと考えた
「おはよ…あら?なんでも屋さんも今日は休むのね」
「おはようおばちゃん。この雨だからなぁ…依頼も来ないだろうし、俺自身雨が好きじゃないからね」
「分かるわぁ…洗濯も出来ないし買い物に行くのも憂鬱になっちゃうわ」
近所のおばちゃんと少し話し店に戻ると、みんなが起きてきた
「おはよう主」
「おはようご主人!!」
「おはようございますご主人様。今から朝ご飯を作りますね」
「ゆっくりでいいよ。みんなおはよう」
「なんだ今日は雨か」
「ああ。ここで生活して初めて降ったな」
「あまり降りませんからねぇここは」
どうやら雨が降るのは珍しい事らしい。梅雨という概念はないようだ
「あっ…」
朝飯を作っていたミリアスが急に声を出した
「どうした?」
「すみません…お昼に使おうと思ってた卵が無くなってしまって…」
「飯食い終わったら俺が買いに行くよ。雨だからゆっくりしな」
朝飯を食い終わり少ししてから買い物へ向かう
中に居ても音で分かるほど外は土砂降りだった
傘を持ち外を歩くが、最近いつもカムイ達と一緒にいたから1人というのも久しぶりな気分だ
傘を打つ雨音、自分の足跡、たまに聞こえる近所の井戸端会議など今まで気にしたこと無いものまで気になってしまう
「なんか不思議な感じだなぁ」
それだけみんなが居るのが当たり前になってきたということだろう。1人じゃないというのはありがたいことだ
ミリアスに言われた場所へ向かう。この世界にもスーパーのような施設はあるらしく、ミリアスもそこで買い物をしているようだ
「えっと卵は…あったあった」
卵を買い会計をしようと思ったが、家で待ってる各々の好きな物を買うことにした
カムイにはソーセージサラミ、アリエスにはビスケット系のお菓子、ミリアスには紅茶。俺個人には…チョコ1つ
「よし。これくらいで良いかな」
会計を済ませ外に出ると、雨の中小さな女の子が1人木の下で雨宿りをしていた
「どうした?」
「お店でお母さんとはぐれちゃった…」
迷子か…しかし母親とはぐれながらも、店の中ではなく外で待つのはなかなか良い選択だ。しっかりしている
「分かった。お母さんが来るまで一緒に待ってようか」
「うん」
雨で人が少ないとは言えど、店先で子供を1人にするのは気が引ける。俺は女の子と一緒に雨宿りをする事にした
「寒くないか?」
「大丈夫」
雨は弱くなってきているが母親が来る気配はない。きっと中で探し回ってるかもしれないが、俺達まで動くと人探しの無限ループになってしまう。なので店の近くで一緒に居るのが1番だろう
「お腹空いた…」
時間は昼前。確かに腹が減る時間だ。俺は自分用に買ったチョコを女の子に渡す
「これ食べな」
「いいの…?」
「良いよ。子供が遠慮するもんじゃないさ」
「ありがとう…!!」
女の子がチョコを食べている様子を見ながら、「俺くらいの歳だと結婚してたらちょうどこれくらいの子供が居たんだろうなぁ」と考えた。結婚も叶わず俺は転生したため、ちょっと悲しくなった
雨が上がると同時に店から女性が慌てて出てきた
「あっ!!お母さん!!」
女の子が女性に手を振りながら駆け寄る
「良かった…この度は娘がご迷惑を…」
「気にしないでくれ。1人にさせるよりはと思っただけだ」
「ありがとうございました…!!」
母親は子供の手を引き帰っていく。無事に出会えてなによりだ
「お兄ちゃんありがとう!!またね!!」
俺は手を振る女の子を笑顔で見送る
「良かったな。家族に会えて」
家に向かって歩いていると、カムイ達3人が道の途中で俺の帰りを待っていた
「やっと来たか主よ」
「ご主人が迷子とは傑作だな!!」
「アリエス様…!!すみませんご主人様…お帰りが遅かったもので…」
みんな俺の帰りを心配して来てくれたようだ
「すまない。ちょっと色々あってな」
「無事に帰ってきてくれて良かったぞ」
3人が俺と横並びになって一緒に歩く。これもまた家族のあり方なのだろう
「迎えに来てくれてありがとな」
「んっ?何か言ったか?」
俺はボソッと呟いたが、カムイ達には聞こえていなかったようだ
「いや。たまには買い物も悪くないなと思っただけだ」
雨が止み土を踏む靴音がハッキリと聞こえる。その足音は各々違えど、足跡は横に並んでいた
「雨の日というのも、少しは良いのかもな」
次回
新たな戦いの予感




