表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/41

第七節 提案

 わたしは口を開く。


「ねえ、いつもジカを狩ってるの?」


「ん? ……ヴサギとか、バヌキ……まあ、なんでもだ」


「ヴサギ……食べるとこあるんだ。あんなかわいいもこもこで」


「ああ、仕留めるときたまに躊躇する」


「あははっ」


「…………」


「ぁ……あっ、そうだ! ヴァンって知ってる?」


「ヴァン……? いや?」


「そっかあ、わたしをここに送り出した人なんだけど、なんでここを知ったと思う? 街で会ったりした?」


「いや、まったく」


「聞いても形而上とか言ってごまかされてさ。ばかだよね、いきなり、ここからは神の領域だーみたいなこと言いだして」


「……かみ? かみってなんだ……?」


「え? ……世界をつかさどる象徴、てきな? 大いなる魔力の源。崇高なるもの……のイメージ? ごめんわたしも説明するってなると、よくわかんない」


「……そうか」


「神は太陽そのものだっていうひともいれば、世界の果てにいるってひともいる。


 世界――つまり光の大地の果ては黒い森だし、黒い森の果ては誰も知らないよね。


 どっちにしてもよくわからない未知の存在。だから形而上」


「……そうか……」


「……うん? ランドの言う家って……こう、ちゃんとした家をイメージしていい? ちゃんと住めてる?


 ……ランド?」


「んっ……? ……ああ。ちょっとした高台にある。問題ない」


「そういえば……そもそも、こんな森にいるランドって、いったい何者なの?」



「――――――つ!」



 あっ。


 そんな感じ出したら、なにかあるって言ってるようなものじゃん。


 ()って言ってたよ。隠しごと出来ないタイプなの? ランドの焦りようといったら、もう。意味もなく木の方を二度見しちゃってさ。


「ごっ、ごめんって! いいから! 言いたくなきゃいいよ、言わなくて」


 あとで聞くから。


「あっ、ああ……」。ランドはまた座り直した。


「……ランドは、黒い森の魔獣を殺せる?」


 なんていう聞きかたしてるんだわたしは。


「えーと……つまり、わたしの本業はさっきも言ったとおり、魔獣戦線の戦士なんだけど……ランドって戦えるの?」


「魔獣と戦うちからのことを言ってるんなら、問題ない」


「へえー。つよい?」


「……おそらく」


「そっかあ! もし、魔獣を殺したとして、いのるの? そこにいのりはある?」


「絶えず、空に」


「そっか! 外で暮らしてみたいとおもう?」


「…………。


 ……なあ? まさかとは思うが」


「んっ? なに?」


 察しがいいね。そろそろ本題かな。


「……じゃあ、ランドはわたしに、なにか聞きたいことある?」


「はあ……あー……リオナは、何しに来たんだ?」


「エっ? ……そりゃあ」


 わたしは無言で、さっきやったように黒樹石たちを指でさしてまわった。そのあとランドに向かってわざとらしく、にやっとしてみせた。


 それを見たランドは、鼻で笑うっていうのかな――ふっ、ってわらって、目をそむけた。


「あと、ひとつあって……」と、わたしは言って、


「ねえ、ランド。わたしと一緒に来ない?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ