第十節 つながる世界 ①
わたしは寝そべったまま、ランドが突然ぶちこんできた召喚獣について考えをめぐらす。というか、思い出している。
召喚士。あまりいないんだよね。
――あっ、寝たままのこの感じ、出発前のヴァンみたい。あのときはミナコがいて、笑ってくれると思ったからノッてあげたっけ。ヴァンも同じこと考えてたんじゃないかな。
――召喚士。
召喚魔力で呼び出した召喚獣と一緒に戦う者。
――召喚魔力。
召喚魔力を持つ人は、めずらしい。わたしの停滞魔力やランドの――たぶん――放出魔力とは本質からして異なる、召喚獣を喚ぶことのみに使われる無属性の魔力。
で、その召喚魔力によって喚び出される異世界の者たちが――召喚獣。
こっちの世界からの呼びかけに呼応する召喚獣は、魔力で、ふたつの世界をつなぐ道を創り、やってくる。
じゃあ、召喚獣はどうやって戦うのかっていうと、自身の持つ強力な肉体。それと……原始の力、だっけ。
強力な肉体といえば、ランド。だからあんなに速かったのかな。
――ハーフって言ってたね。
強いからだを持って、それと木の魔力をあんなに使いこなして……良いとこ取りすぎない? ランドがそもそも凄いだけ?
ハーフ……かあ。さっぱりわからないね。聞いたこともないよ。
……だって、その……ひとと、召喚獣でしょ? その……どうやって? ……なのかな……?
はずかしくて、聞けない。
――あっ。あのときの御意。あれはわたしがお願いって言ったから、呼びかけに応えたってこと?
ハーフだから? 微妙に抗えなかった感じ?
……あの反応からして、自分の意思じゃなかったよね……。
それでも――ちょっと無理やりだった気もするけど――
結果、ランドが来てくれることになって良かったと思ってる。ほんとうに。
ありがとう。
って、いいたい。
「なあ、おれの出かける準備が必要だよな」と、ランドが言ったので、考えを中断する。
わたしは起き上がる。
「うん! そうだね! いってらっしゃい!
……って! 行く前に言うこと、
いっぱいあるでしょっ!」腰に手をあててすごんでみた。
「はあ……」ランドは、やれやれ、というように首をふった。「またいろいろ聞く気か……」
「うん! 仲間だもん!」まだ実感ないけど。
「そこ、すわろう!」一番手前の黒い木を指差した。




