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名も無い物語  作者: 天駆真龍
第五章 魔術、魔法、使い魔、結界
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第六話 呼びかけと終焉の誇り

 お待たせしました。待っている人は居ないと思うけど投稿だよ。

楓「一ヶ月投稿すらできてない……」

 案はでるけどいざ文字にする、って段階でどうしても、ね。

楓「そこら辺直していかないといけないと思うけど、直すの?」

 直さないね。向上心がない、と致命的な欠点があるから。

楓「オリジナルは向上心じゃなくて、あらゆる興味が欠けてると思うんだけど」

 そうだけどね……。ま、ここを長くしても仕方ない。もう人は見てないと高をくくりながら、本編どーぞー。

箒で宙に浮き進むうちに、どうにも違和感を覚えるようになった。

 別に同じ光景が続くとか、進んだ気がしない、なんて違和感ではなく別の世界に来たような感覚がするのだ。

 焦りから飛ぶ速さを上げていくが、そもそもとしてシロハがどこにいるか分からなければ意味がない。入り口の様子からして通った場所には必ず破壊や崩壊の跡が残るはずなのに、そんなものは一つもないという事も、焦る理由にも見つけられない理由にもなっていた。

……たしかにあの子は浮けるけど、それ以上に一度漏れたなら床ぐらいは影響が出ているはずなのだけれど。

 まさかこの建物の中に入っていない?いや、使い魔としての反応はここを示している。けれども、滅びの力を抑える術式が解けかけているなら、使い魔の契約も無効化しているのだろうか?あれは漏れ出た力でさえ強力だ。前回封印出来た理由ですら、別の誰かがその力を抑える物をシロハに持たせていたからだ。

………まさか、私の術式が消えた瞬間に滅びの力が吹き出て、力を抑える物が今滅びの力を抑えている?

 何はともあれ、まだ猶予はある。表だって使いたくはないけれど、力を霧散させる術式を打ち込めば暴走は起こらないはず。なら今は使い魔の契約が残っていることを信じよう。

「助けに、なんて腐っても言えないけども、せめて止めて見せるから──」

 だから、届いているなら返事をして欲しい……!


   ☆


 すっかりボロボロに、粉々に、ドロドロに、グチャグチャになった部屋の中で私は苛立っていた。

 狙って放つ滅びの力は指向性など欠片も持たず自身の周りを漂うのみで、この建物の門を「終わらせた」とき以外はまともに「壊す」こともできなくなっていた。

 それでも同族がいるなら殺さなくてはいけない。そのようにして過去と決別をしなくてはならないのだ。

 それなのに、私は冷気すら操る事ができず、まるでか弱い少女のように、固く閉じられた扉を殴るだけである。

 指を形作る骨と肉は、それより硬く頑丈な物質に叩きつけられた弊害で砕けている。頭はマシになったとは言え、それでも頭痛が続き意識ももやがかかったようにハッキリしない。

 それでもこの先に行こうと、壁にも似たその門に拳を叩きつける。

 血が流れ、体力がすり減り、しかし精神だけがひたすらに高揚し満ち満ちる。

 これを超えれば同族を殺せる。終わったはずのものに苛まれる事もないのだ。もとより、私はそれを実行する存在であり、それを是する存在であり、それを祝福する存在であるべきなのだから。

 故に、一度終わってしまった関係なら結び直すことには憎悪すら覚える。

 関係を作り直すなら再出発として、受け入れはできないが認めることはできるのだ。されども、もし今回の存在がただの『仲直り』がしたいだけなら、私は死んででもその者を許しはしないだろう。なぜなら──いやまて、私は終わったと思っているが、彼らはそう思っているのか? 彼らは、私がもう同族との関係が終わっていると思っていることを、知ることなどできないはずなのに?


……そうだ、私はもう幸福だ、と伝えるべきだった。


 どうやら頭はマシになった、という言葉すら撤回しなければならないらしい。

 頭を冷やせば気付くはずだった。そりゃ、何も説明されてない状態で、久しぶりに会った友人から「お前とは縁を切った」なんて唐突に言われて敵意を向けられたら、困惑するに決まっている。

 私は、もう、同族とは縁を切りたいと言うべきなのだ。もう、自分の中では終わってしまったのだと。もう、私は新しい生活を始めてしまっているのだと伝えなければならない。

 相手側からしてみたら、どう、映るかなんて、分からない。

 ただ、今の暮らしは守りたい。そのために決別する。決してすれ違いでは、納得できない『終わり』ではいけないのだ。

 頭は、きっと大丈夫だ。恐らく冷静になった。


 終わらせにいこう。同族との、身勝手な別れを。

 そうしたら、主人と同居人との、面白おかしい退屈すてき)な一日が始まってくれるはずだから。


 きっと途中で聞こえてきた声は、私を正気に戻す言葉だったのかも。


 滅びの魔力は、資格を得た、と言わんばかりに門を溶かしていった。

 

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