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先語り 姉妹
そんな幸せな日々が、明日も明後日も──
そこには少女が二人いた。
どちらも琥珀色の目をしていた。
きっと、未来のお話。
本当に語られるかも分からない、ちょっとだけ騙られるお話。
☆
少女は逃げ出した。己らの役目を捨て。
そして、大樹がそびえる世界へとたどり着いた。
少女はその世界の主に移住の許可を求めた。
世界の主はその申し出を受け入れ、移住を認めた。
少女二人は歓迎された。
外の世界を知る少女は安堵を抱き、外の世界を知らぬ少女はただ驚愕した。
少女二人の歓迎はいつしか飲めや歌えの宴会に変貌したり、己が武勇伝を語る場になったりした。
外の世界を知らぬ少女は、こんなにも平穏な世界があるのかと、初めて見る光景に困惑するばかりだった。
そして日が暮れ宴会はお開きになった。
少女二人はそこで暮らし始めた。
色々な困難がやってくるけど、その困難をはね除けて、きっとここで暮らし続ける。
きっと、そんな話。
真実は、誰も知らない。
けど、そんな話になったら良いのにな。
☆
今日も明日も明後日も、あんな幸せな未来になれば良いのにな。
誰もが知っているのに誰も知らない場所で、幻想少女は呟いた




