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名も無い物語  作者: 天駆真龍
特異点A 第×××××章 願いと望み
28/47

幕間→分岐点A

 私は、人の善悪ほど簡単に変わるものを知らない。

 例えばの話。

 貴方が女の子だとしたら。

 例えばの話。

 貴方が男の子だとしたら。

 例えばの話。

 貴方が悪人だとしたら。

 例えばの話。

 貴方が善人だとしたら。

 そんな例えばは、いつか決定して他の例えばを殺して進んで行く。

 ただ単に、運命なんてそんなものなんですと、分かりきったように言うと、貴方は怒りますか?

 最初にそうと決まったら変われないと言ったとして、此処に居ない貴方は、其処の誰かとして私を笑うでしょうか。

 きっと、きっと、答えなんてくれないでしょう。

 それで、きっと、良いんです。

 そんな事考えずに、時に無邪気に、時に悪辣に、時に幸せに、時に不幸せに生きれば良いんです。

 こちらの事なんて何も考えずにそちらで一所懸命に生きれば良いんです。

 他人の心なんて、分からなくて良いんです。

 きっと、きっと、きっと。

 他の誰もが貴方を否定しようが、其処の誰かのようにその他大勢になろうが、それで良いのです。

 

 誰にも宛がないこの願いが、誰かに届きますように。


ああ、でも、受け取って欲しい人がいた気がします。

 黒ぐらいに白く、白ぐらいに黒い、不思議なあの人に、受け取って欲しかった気がします。

 これはワガママでしょうか。

 これは、許されないでしょうか。

……私は、そんなにその人が好きだったでしょうか。

 泣きたくなるぐらい、受け取ってもらえたとしても、受け取ってもらえなかったとしても、私の願いをあの人に放つ事が好きだったでしょうか。

 それとも、哀しいのでしょうか?

 分かりません。分かりません。分かりません!

 まるで違う自分が、殺されたはずの例えばの私が、いっぱい私の中に入っている気がするんです。

 助けて、なんて言いません。ただ、ただ、一方的に悪と決めつけて裁くのは、あの子達にはやめて下さい。

 悪役だって、どうしようもない狂人だって、生きているんです。どうして、貴方たちの視点だけで、貴方たちの常識だけでその人達をどうしようもない『悪』と断ずる事ができましょうか。

 その行動には理由があり、もしくは信念があり、でなければ本人も理解できない想いがあるのです。

 どうして、それを、理解もその努力もしない者に『悪』と断ぜられなければならないのでしょうか?

 ならばこそ、私はあの願いを。勝手に『悪』と断ぜられた者へと。

 世界を壊すことになる、人間なぐらい作り物で作り物ぐらいに人間なあの人へと。

 

 私だけは、必ずやそれを『善』だと言い続ける。


   ☆


 主人公などいない物語で、その願いは叶う事も叶わない事もなく、曖昧に漂う。

 少年よ。決断の時だ。

 どちらに味方する。どちらを『悪』と、どちらを『善』と断じ、どう行動する。

 

──願わくば、どうか彼らが救われますように。

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