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第八章 エピローグ・聖域の日常 40話 【絶対の聖域】

穏やかな陽光が、天蓋付きのベッドに差し込んでいる。

戦火の喧騒も、世界を震撼させた破壊の音も、今はもう遠い過去のようだった。ベッドの上で微睡むシンの銀髪を、アリシアが愛おしそうに、ゆっくりと指で梳いている。 


 彼はそのまま、アリシアの細い指を握りしめ、低く、重たい声で呟いた。


「もう、二度と離さない。離れることはできないと思え」


それは所有欲というよりも、魂の誓約だった。彼が覗き込むのは、この世のすべてを焼き尽くす力を持つ、鮮烈なダークレッドの瞳。しかしその奥底には、今、唯一の愛する人だけを映し出す、静かな熱情だけが燃えていた。


アリシアは迷いなく、彼の額に自分の額を寄せ、優しく微笑む。


「ええ。私はずっと、あなたの隣よ。どこへも行かないわ」


二人の愛が続く限り、この古城は誰にも侵されることのない、世界で唯一の「絶対の聖域」であり続ける。外界がどれほど荒れ狂おうとも、ここには決して届かない。

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