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第四話 雨音の向こう

雨の日は霧の背が低くなり、家々の足元を流れていく。


そして時々、羊の鈴の音が雨音の向こうに聞こえる。


そんな日は皆んなで内職をしていた。


エルシャはレース編み。


デュリナは刺繍。


カイスは麦わら帽子作りを行っていた。


お母さんは村の集会に行った。


エルシャ「カイス、麦わら帽子上手に出来てるね」


カイス「だろ?初めは難しかったけどね、結構慣れてきたよ」


デュリナ「でも、ちょっと歪んでるね」


カイス「うるさいなぁ…」


家の中は暖かな雰囲気に包まれていた。


エルシャの編むレースの糸は、ランプの灯りで照らされて、淡く輝いていた。


だが、窓の外は雨が強く降り続いていた。


遠くの空は真っ暗で時折、稲光が走っていた。


デュリナ「光った!」


カイス「何処かに落ちたんだね」


エルシャは編みかけのレースから顔を上げて、少しだけ窓の外を見た。


デュリナ「カイスってこういうの平気なのよ、全然怖がらないの」


カイス「怖がってもしゃあないだろ」


デュリナ「エルシャはどう?雷怖い?」


エルシャ「私は慣れてるから…」


デュリナ「カイスに合わせてる?」


エルシャ「ち、違う。あ、合わせてなんか!」


カイス「え?」


その時、ランプの燃料が切れて、灯りが消えた。


部屋の中が一瞬で暗闇に包まれた。


稲光の度に輪郭が浮かび上がる。


雨音がさっきよりも強く聞こえる。


また雷鳴が鳴る。


デュリナ「うわ、びっくりした!」


カイス「マッチ何処だ?」


エルシャ「多分、棚の上」


マッチを探すカイスの元へエルシャが近づく。


二人で棚の上を手探りで探す。


その時一瞬雷が光って、棚の上のマッチが見えた。


カイスが手を伸ばすと同時に、エルシャもマッチを掴もうと手を伸ばす。


エルシャはマッチを掴んだ筈が、間違えてカイスの手を握ってしまった。。


その瞬間、外で雷鳴が轟く。


エルシャ「あっ!」


慌てて手を離す。


暗闇の中で雨音に混じってデュリナの小さな笑い声が聞こえていた。

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