自宅会議
4人でお茶を飲みながら話を再開する。先ほどのテーブルにバン!事件の経緯もしっかりと説明した。
「......というわけで、彼と話していて興奮してしまいましたが、ルバートの今後の役割については知ることができました」
「ルバートも重要なポジションを担っていたわけだな。オレはのけ者だったのか......」
スワロウ様は落ち込んでいる。確かに家族でもないルバートがガッツリ関わっていたのだから不満だろう。
「スワロウ、お前には表向きの仕事を重点的にやってもらっていたんだ。以前よりもかなり仕事量が多くなっただろ?それに異世界からきたセイラの世話という役割もあったからな」
「......そうであったとしても、事前に知っていたかったですね」
「秘密を知る者は少ない方がいいからな。リスクを減らせる」
スワロウ様はまだ不満そうだ。ルバートはそんなスワロウ様を見て口を開いた。
「スワロウ兄さん、仕事をバリバリこなしていただなんて、相変わらず優秀なんですね。僕は実務的なことはサッパリで関心もありません。でも、僕が魔法課に入った暁にはご指導を宜しくお願いします」
「兄さんなんて呼ばれるつもりはない。セイリーンの仮の婚約者だっただけだろ。それになぜオレに指導を頼むんだ」
「尊敬しているという意味で"兄さん”と言ったまでです。"アニキ”でもいいけど、それじゃ失礼でしょ?指導を頼むのは、僕はいずれ魔法課に入るのは確実なので。ちなみに婚約の話ですけど、ハッキリさせませんか?もう、僕には愛する人もいますし」
ルバートの言葉に今度はお父様が反応した。
「今となってはセイリーンを君にやるつもりはないし安心するといい。君も仮にも婚約者の立場であった割には、隣国でずいぶんと羽を伸ばしていたようだな」
「イヤですねぇ。まだ恋仲になったわけではありませんよ。僕が憧れているだけで。プレスト殿下の親戚であるカラクター姉妹のお姉さまが本当に美人で色っぽくて......サイコーなんです!」
空気を読まないルバートは自分の胸の内を語っていく。何だかちょっとウザく感じるのは私だけ?と思ったら、お父様もスワロウ様も冷めた目でルバートを見ていた。
「カラクター姉妹と言えば、実家は魔法の大家だったな」
「そうなのです伯爵。王の命により隣国で魔道具に役立つ資料探しをしていたわけなんですが、良い資料がカラクター家にあるとのことでお屋敷に伺ったところ、運命の出会いをしたわけです。見た瞬間、僕の心が......」
ルバートが雄弁に語りだそうとするのを私は遮って、気になったことを聞いた。
「隣国とは協力関係なの?以前、隣国との関係は微妙だったと聞いた気がしたんだけど」
「今後は魔法知識の協定なんかも見込んで関係を修復している最中だよ。プレスト殿下も望んでいることだし。これで僕がカラクター姉妹の姉上と結ばれたら、もっと隣国と仲良くなれていいじゃない」
「お前をわざわざ相手にしないだろ。それよりもお前が命じられている魔道具の開発は順調なのか?」
「いやあ、まだまだこれからですよ。まずはこのプロジェクトが終わり次第、分析に入らなきゃ作業に入れませんし」
「父上、プロジェクトはいつ終わるのか知らされてはいないのですか?」
「昨日、セイリーンの魂を留めている魔道具を確認したところ、引き上げるタイミングがいよいよ近づいているのを確認できた。そう遠くはないだろう」
「引き上げるとは、セイラの魂も元に戻るということになりますよね?」
「そうだ。だが、引き上げるにしても準備期間が必要になる。様子を見ながら一つ一つ進めなくてはならないからな」
戻れる......ずっと戻る方法について調べてきたわけだけど、いざ戻れるとなったら何かやり残したことはないかと感じてきた。
「あの、私がやっておかねばならないことはあるのでしょうか?」
「君は体調管理だな。それと、セイラの世界について教えて欲しい。戻るまでの間、学園には通わず明日から王城に通って詳しく報告してほしい。可能なら王城で生活してもらいたいのだがどうだろう?」
「王城に滞在するのですか?」
「ああ。体調管理もしやすいしな」
「父上、そんな急な......母上にはなんと説明するのです?」
「アンダンティーノ殿下に嫁ぐための花嫁修業ということで良いのではないか?」
「まだ学生の身ですよ?花嫁修業だなんて......」
スワロウ様は必死にお父様を説得しようとしている。私も急な話で戸惑いが隠せない。いずれ戻りたいと思っていたけど、予想よりも早くて気持ちの整理がつかないのだ。
それに、王城に滞在するとなれば、両殿下ともまた顔を合わせる機会が増えるだろう。私が異世界から来たと知った彼等が私にどう接してくるのか心配だ。
「あの、両殿下は私についてどう思っていらっしゃるのでしょうか?セイリーンの魂がこの身体に戻った後、セイリーンはアンダンティーノ殿下に嫁ぐことになるのですよね?」
「両殿下はかなり戸惑われていたそうだが、我が国の魔法レベルが高いことは既に理解されている。明日、さっそく王城でお会いすると思う」
「アンダンティーノ殿下は僕と一緒で魔法オタクですからねぇ。すぐに理解していただけているのではないかなと思っていましたよ!」
ルバートの無神経な発言に私は内心"殴ったろか?”と思ったのだった。
ルバートはいつでも平常運転です。セイラやスワロウは物事が一気に動いていくことになり、動揺しています。
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