王との会議1
いよいよ最終章に突入です。どうぞ最後までお付き合いくださいませ(,,ᴗ ᴗ,,)ペコリ
衝撃的な展開すぎて夜はほとんど眠れなかった。まさかお父様が最初から知っていたなんて......
翌朝、朝食の場でお父様は何も知らないお母様に、"セイリーンのピアノスキルを王城でも披露するように要望されたので王城へ連れて行く”とシレっと伝えていた。
急な話なのに、お母様は疑うことなくとても喜んでいる。お父様も"うちの子が評価されるのは喜ばしいな!”などと言っていて、思わず"このイケメン狸オヤジが......!”と思ってしまった。人間不信になりそう。
スワロウ様は、私と2人になることを禁止されたのもあり、いつものように私に気軽に話しかけづらいようだ。私も何となく他人行儀なあいさつくらいしかできなかった。
食事が済むと、お父様とスワロウ様と私の3人で馬車に乗って王城へと向かう。馬車の中では、お父様が私に事前に聞きたいことはないかと聞いてきた。
私の聞きたいことはほとんど計画の核心につくことばかりだったため、結局聞いてもその場ですぐに答えてもらうことはできなかった。お父様はただ、私がどんなことを知りたいと思っているかについて事前に把握したかったみたいだ。
王城へと着くと、来賓用の部屋で待機することになり、お父様は王に報告して来ると言って部屋を出て行ってしまった。ソファに座って待つ時間が長く感じられる。昨日、お父様の書斎で別れて以来、スワロウ様とまともに口をきいていないので気マズイ。
「......セイラ、何て声をかければいいかと考えていたが、父上に接近することは禁止されたとしても、自分の気持ちに変わりは無い。どんな形であれセイラと過ごせる今を大切にしたいと思っている」
(私をまだちゃんと想ってくれていたんだ......)
見放されたかもと思って落ち込んでいたのに、スワロウ様の言葉で一気に心が浮上していくのを感じる。
「......ありがとうございます。私とのことを言わなくても良かったのに、わざわざお父様に話したのは、スワロウ様なりの誠意だったのですよね?」
「オレは、セイラが元の世界に戻ったからってそれで終わりではないと思っている。国家プロジェクトならばこれっきりの取り組みではないはずだ。時間はかかるだろうが、セイラとまた会う機会も必ずあると考えている」
そんな先のことまで考えてお父様に私とのことを伝えてくれていたのか......。私はそこまで考えが及んでいなかった。実現できるかどうかはさておいてスワロウ様の考えを嬉しく思った。
今もこうして目を合わせていると、触れたくなってくる。私を見つめているスワロウ様も同じ気持ちなのか、ソファに置かれた手の指が自然と重なった。
(セイリーンの命がかかっているから離れないと......)
頭で分かっていても、なかなか思い通りにならない。重なった指を離す。
すると、再びスワロウ様が私の手を握った。ハッとして見上げるとスワロウ様が微笑んでいる。......幸い、入口の扉からはソファの背もたれで私達の手の部分は死角で見えない。手を握ることでお互いの気持ちを確かめ合えた。
しばらくすると、王の侍従が私達を呼びに来て王の書斎へと移動することになった。王の書斎なんて初めて見たが、想像していたよりもモダンでさっぱりとした内装だった。例えるならば北欧風で現代的。
部屋に置かれたソファには、既にお父様と王様と思われる背が高く体格の良い品の良い紳士が座っていた。あの方が王様であろうか。どことなく、アンダンティーノ殿下やプレスト殿下に似た面影がある。人払いがされているようでまわりには誰もいなかった。
「さあ、ソファに掛けてくれ。さっそく会議といこうか。質問も直接してくれて構わない」
王様はフランクに話しかけてきた。王の威厳は感じるがどこかの企業のトップみたいな雰囲気で、思ったよりもずっと接しやすい。アンダンティーノ殿下の親しみやすい話し方は父譲りなのかもしれない。
すすめられた長椅子のソファにお父様と3人で並ぶかたちで座ると、すぐに秘密のプロジェクトについての話が始まった。
「キミ達が気づいたことはこちらのストリーから聞いた。改めてキミ達にも協力してもらおうと思ってる」
王様がお父様をファーストネームで気軽に呼んでいるところを見ると、案外、お父様と親しいのかもしれない。
「まず、セイリーンのことだが、セイリーンの魂はこちらでしっかりと守っているから安心していい。そしてキミ、セイラはもう少ししたら元の世界に戻れる。それまでは、こちらの世界を楽しんでくれ」
「もう少しとは......?」
「言葉の通りだよ。あちらの世界でセイリーンがキミの身体を操作するのも限界に近づいているんだ」
「操作ですか......?」
「ああ。キミの思考や行動を分析しながら自動で操縦していると言えば分かりやすいだろうか」
私の身体がそんなことになっていたとは。でも、セイリーンの魂はこちらで守っていると言わなかったか?疑問に答えるようにお父様が補足してくれる。
「セイリーンの魂は特別に開発された魔道具の中で守られている。そこから異世界への転移魔法を使ってセイラの身体を操作している状態なんだ」
そんなことができるなんて!横に座っているスワロウ様も信じられないような驚きようだから、魔法が存在する世界でもこれは滅多なことではないのが分かる。
「混乱しているようだね。実体を伴わず意識のみが入れ替わるという魔法を開発したと聞いて、私も初めは信じられなかった。だが、セイリーンはそんな偉業を開発してしまったんだよ」
王様は興奮したように話している。セイリーンはやはり何かしらの新しい魔法を開発していたのは確かだった。でも、どうしたら王様まで話がいくのだろうか。
「魔法を開発したセイリーンから何度も私に面会したいと申し出があったんだ。事情を知らないストリーも呼んで話を聞いてみれば、興味をそそられる話じゃないか。さっそく実験させてみたよ。見事成功して私は感動した!」
それで、今回のプロジェクトが発足したのか?セイリーンが凄い才能の持ち主だというのは分かったが、王様に直談判とは度胸があり過ぎだ。ちなみに、このプロジェクトは何を目的にしたものだったのだろうか。
「彼女は、異世界に強い興味を持っていた。異世界から聖女を召し出す魔法は昔からあったが、異世界に戻すということができなかった。よって人道的な配慮などから禁止されたが、意識のみの転移を可能とすることで、リスク少なく異世界の知識を得ることが可能となったんだ」
王様はあごに生やしたヒゲを撫でながら満足気に話を進めていったのだった。
王様はアンダンティーノ以上に魔法に関して並々ならぬ関心を抱いています。セイリーンの話はとても魅力的ですぐ飛びつきました。
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