浮気現場に遭遇?
人だかりに近づいていくと見覚えのある金髪と銀髪のイケメン男性2人が見えた。
側には女性が2人。色っぽいお姉様タイプの令嬢と私より若い年齢かと思われる令嬢がいる。この前のダブルデートで訪れたスイーツ店から出て来たようだ。まさか、またダブルデートだろうか。ドキンと胸に痛みが走った。
すぐ側にいる町娘と母親らしき人の会話が聞こえてくる。
「あのお店は王子様達のお気に入りなんだってねぇ。今日はまた一段とキレイなお嬢さん達をお連れだね」
「あんなステキな王子様に美味しいスイーツを連れて来てもらえるお嬢様達がうらやましいわ!あたしもお嬢様に生まれたかった~!」
"今日はまた”という言葉や"お嬢様達”という言葉からすると、日常的に見られる光景なのだろうか?会話が聞こえていたオランジェは難しい顔をして私を後方へと引っ張った。私も何となく王子達に見つかりたくない。
(なんだ、私に熱心なこと言っていたくせに、ほかにもちょっかい出しているんじゃないの......)
脇道にそれた私達は王子達にとりあえずは見つかることはないだろう。万が一、こちらの方面に目を向けたとしても、私とオランジェの後ろにはガッチリ体型の護衛騎士のブルクがいるから見えないはずだ。
お目当てのカフェに着くまでしばらく無言で歩き続けた。
「お嬢様、お店に着きましたよ。席は予約しておりますのでゆっくりできます。美味しいスイーツとお茶を頂きましょうね」
「私、色々な種類のスイーツを食べてみたいわ。だから護衛騎士さんも一緒にお茶しましょう」
「私が一緒の席につくなど、滅相もありません!」
「いいのよ。これも命令ってことにして早くお店に入りましょ。肌寒いし」
「......ブルクさん、お嬢様がお望みなのですからここは一緒に入りましょう」
「いや、しかし......」
「いいから、いいから」
オランジェが強引にブルクを店内に引き入れると、予約した席についた。個室なのでプライベート利用にはピッタリだ。
気になるスイーツを何種類か贅沢にオーダーしてみる。お茶が運ばれてくると、ようやく余裕を持つことができた。ブルクは私と同じ席につかされて緊張している様子。ただでさえ、先ほどの目撃で、気マズげな雰囲気になっているので雰囲気を変えたい。
「それにしても王子様方は、ずいぶんと守備範囲が広いのね!私よりも年下のお嬢さんから色っぽいお姉さんまで!さすがおモテになる王子様は違うわね!」
「......お嬢様、きっと事情があるのかもしれませんよ。アンダンティーノ殿下は毎日バラをお嬢様のために1本ずつ送って下さっているではありませんか。本当のところが分かるまでは何とも言えませんわ」
「護衛騎士のブルクさんなら、同じ男性だから王子様達の気持ちが分かるんじゃない?若い頃なんてついついアチコチちょっかい出したくなっちゃうものでしょ?」
「ブルク、とお呼びください。世間には"若気の至り”という言葉がありますが、私には当てはまりません。私は23になるまで剣の鍛錬に集中してきて、女性とあまり関わることもありませんでしたので」
「あなたが軽薄だとか言ったつもりはないのよ。男性って生まれ持って狩猟本能があるのかなって思ったから......私は都合よく狩られたくないの」
ヒザの上にある手を思わずギュっと握りしめる。王子様方に、ややほだされかけていた自分を振り返って恥ずかしく思った。
(王子様だからって何でも自分の思い通りになると思ったら大間違いなんだから!)
「お嬢様、恋って"勝った負けた”ではないと思いますよ。お嬢様を本当に大切にして下さる方を選ぶのが大切ですわ」
「僭越ながら私もそう思います。数多くの令嬢の中でお嬢様に執心されているのは、お嬢様が大変、魅力的であるからと私は考えます」
「2人ともありがとう。あれほど熱心に口説かれると、ちょっとは心に刺さってたみたい。でも、私は魔法の腕を上げなきゃいけないし、恋愛なんてしているヒマは無いのよね!」
そう言葉を述べると、2人は何だか気の毒そうに私を見てきた。
「お嬢様、気を取り直して美味しいスイーツ食べて楽しみましょう!」
「そうね!時はいつだって流れているのよ!つまらないことにとらわれているわけにはいかないわ!」
「まさにそうであります!」
何だか3人で変な感じに盛り上がってきたので、美味しくスイーツを頂くことにした。あれこれ屋敷のウワサ話などを楽しくおつまみにしながら......。
オランジェを意識している様子のブルクは時折、オランジェをジッと見つめている。近いうち、オランジェもブルクの気持ちに気付くだろう。
(微笑ましいなぁ)
人の恋路を見守るのは楽しいのに、自分のことだと客観的に判断できないのはナゼだろう。......しょせん、私もただの17歳の小娘だということだ。ド恋愛初心者。
(アンダンティーノ殿下に、もうバラは送らないで!って伝えようかな......)
スイーツとお話を堪能して屋敷の近くに戻って来ると、既に日が西に傾きかけていた。冬が近くなってきているので、日の長さもどんどん短くなる。元の世界と似ているなと、思っていると急に馬車が停車した。
「何でしょう?もう屋敷は目の前だというのに......アッ!」
オランジェが馬車の窓から前方にある屋敷を確認していると、驚きの声を上げた。かなりの驚きようだ。
一体何があったのだろう?
オランジェ&ブルク→(お嬢様を励まさなきゃ~!!)内心とても心配しています。
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※投稿は毎日朝7時です。引き続きご高覧頂けるとウレシイです。




